2022年7月8日
【どちらがお得?】エコキュートとリンナイのエコジョーズを徹底比較

エコキュートとリンナイのエコジョーズは同じ給湯器ですが、使用する燃料が異なるため、性能も大きく変わってきます。
この記事では、エコキュートとエコジョーズの性能を比較したうえで、それぞれの注意点を解説します。
この記事を読むことで、自分の生活にはどちらが適しているのか理解することができ、後悔しない選び方をできるようになるので最後までご覧ください。
エコキュートとエコジョーズを徹底比較
エコキュートとエコジョーズは、どのような違いがあるのでしょうか。以下の表にまとめました。
エコキュート | エコジョーズ | |
燃料 | 電気 | ガス |
導入コスト | 高い | 安い |
ランニングコスト | 安い | 高い |
サイズ | 大きい | 小さい |
安全性 | 安全 | 不完全燃焼のリスク有り |
耐用年数 | 約10~15年 | 約10年 |
災害時 | 非常用水として使える | 使えない |
この表を基にして、エコキュートとエコジョーズの違いについてさらに詳しく解説します。
性能の比較
エコキュートは「電気」を使用するのに対し、エコジョーズは「ガス」を使用することでお湯を作ります。
エコキュートは深夜電力で外の空気を温め、その発生した熱で水を沸かします。作られたお湯は貯湯タンクに入れられて、日中に利用されます。
エコジョーズは一度使われた排熱を再利用してお湯を作ります。そのため、燃焼量を多くするほど、効率よくお湯を作れる特徴があります。
導入コストの比較
導入コストは、エコジョーズの方が安いです。
以下の表は4人家族用のエコジョーズ、エコキュートを購入した時の相場の導入費用です。
本体価格 | 設置工事 | 合計価格 | |
エコジョーズ | 約20万円~35万円 | 約5万円 | 約25万円~40万円 |
エコキュート | 約30万円~70万円 | 約15万円 | 約45万円~85万円 |
エコキュートは本体価格が高いものが多く、設置工事も地面の補強などが必要なため、価格が高くなる傾向があります。
業者によって値段の差は出てきますが、導入コストはエコジョーズの方が安くできることがわかります。
ランニングコストの比較

https://www.shutterstock.com/ja/image-vector/illustration-japanese-yen-calculator-wallet-imagined-1658206330
ランニングコストは、エコキュートの方が安くなります。
以下の表は、エコジョーズとエコキュートの給湯に関わる年間の光熱費です。
エコジョーズは、プロパンガスの使用を推定しています。
世帯人数
(給湯使用エネルギー量) |
1人
(9GJ) |
2人
(14GJ) |
3人
(17GJ) |
4人
(18GJ) |
5人
(19GJ) |
6人以上
(22GJ) |
エコジョーズ | 54,700円 | 69,900円 | 81,200円 | 82,800円 | 86,600円 | 99,300円 |
エコキュート | 18,800円 | 28,500円 | 33,800円 | 35,800円 | 37,800円 | 43,800円 |
(出典:https://standard-project.net/smarthouse/water-heater/)
エコキュートは電気代が安くなる深夜帯に給湯を行うので、光熱費の節約につながります。
それに対し、エコジョーズはお湯を使用する度にガスを必要とするので、光熱費が高くなる傾向があります。
耐久年数の比較
耐久年数はエコジョーズの方が短いですが、使用頻度や環境によって変わるので注意しましょう。
耐久年数はエコジョーズが約10年に対して、エコキュートは約10~15年といわれています。
しかし、エコキュートは一般的に外に設置するため、寒冷地などでの使用で寿命が変化することもあります。
ですので、エコキュートとエコジョーズの耐久年数は参考程度に抑えておく方が良いでしょう。
設置スペースの比較
エコジョーズは、エコキュートの約10分の1のサイズなので、エコキュートより設置スペースを必要としません。
ここまで、エコキュートとエコジョーズの違いを解説しました。
次の項目では、エコキュートとエコジョーズに向いている人について解説します。
エコキュートが向いている人
エコキュートに向いている人は、以下の通りです。
- 光熱費を節約したい人
- オール電化住宅を考えている人
- 災害時でも安心して使用したい人
光熱費を節約したい人
エコキュートは、電気が安くなる深夜帯にお湯を沸かすので光熱費を安くすることができます。
年間の電気代を節約したいと考えている人には、エコキュートの購入が向いています。
オール電化住宅を考えている人
オール電化とは、調理・空調・給湯などの熱源を全て電気にすることです。
オール電化は、ガスを使わないため安全であり、夜間電力を使用するものもあるため、電気代のコストを下げることができます。
エコキュートで給湯を行うときは電気を使用するため、オール電化住宅を考えている人にはさらに向いています。
災害時でも安心して使用したい人
エコキュートは災害で断水した場合でも、お湯を使用することができます。
お湯を貯めるための貯湯タンクがついているからです。
また、ガスを使用しないため災害時の火災のリスクもなく、安心して設置することができるメリットもあります。
リンナイのエコジョーズが向いている人
次に、リンナイのエコジョーズが向いている人について解説します。
エコジョーズが向いている人は以下の通りです。
- お湯を切らす心配をしたくない人
- 家族が多く、お湯をよく使う人
- コンパクトに設置をしたい人
- 初期費用を安くしたい人
- 昼間にも家族が自宅にいる人
お湯を切らす心配をしたくない人
エコジョーズは、エコキュートのようにお湯を切らす心配がありません。
瞬間式給湯器であるエコジョーズは、お湯を使用するタイミングでお湯を沸かすからです。
そのため、大量にお湯を使い、お湯切れの心配をしたくない人はエコジョーズの使用が向いています。
家族が多く、お湯をよく使う人
エコジョーズは、多くお湯を使用する人ほどお得になります。
というのも、エコジョーズは排熱を再度利用して、お湯を作るからです。
お湯を多く沸かさないという家庭では、エコジョーズの節約効果を実感しにくい可能性が高いです。
コンパクトに設置をしたい人
エコジョーズは、エコキュートと比べてコンパクトに設置することができます。
エコジョーズはエコキュートの約10分の1のサイズで、壁に設置できるものもあるためです。
狭いスペースでも設置することができるので、マンションや都会に住んでいて、大きなスペースがない人に向いていると言えます。
初期費用を安くしたい人
初期費用を安くしたいと考えている人にもエコジョーズはおすすめです。
エコキュートは本体価格でも約30万円からに対して、エコジョーズは18万円前後から購入することができるからです。
また、施工業者さんによって割引をしてもらえることも多いです。
初期費用を安くしたいと考えている人は、複数の見積もりを取るようにしましょう。
昼間でも家族が自宅にいる人
昼間でも家族が自宅にいる家庭は、エコジョーズにするのがおすすめです。
エコキュートを使用する時は電気代が昼間に高く、深夜に安くなるプランに契約するのが一番の節約になります。
しかし、昼間に電気を使用した場合、その節約効果は実感しづらくなってしまうでしょう。
昼間でも電気を使う家庭なら、ガスで使用ができるエコジョーズの方が向いていると言えます。
エコキュートの使用の際に注意すべきこと
次に、エコキュートの使用の際に、どのようなことに注意すべきなのか解説します。
以下の内容がエコキュートの注意点です。
- お湯切れをすることがある
- 冬場にお湯が出なくなることがある
- 騒音問題が発生することがある
- 水圧が弱いものもある
お湯切れをすることがある
エコキュートは1日の使用分をタンクに貯めておくので、お湯切れをすることがあります。
お湯が切れた後に、沸騰させることも可能です。
しかし、昼間に電気を使うことで、光熱費が高くなります。
また、お湯が沸くまで30分ほど待たなければいけません。
エコキュートのせっかくの節約効果が、沸きましを行うことで無くなってしまうのです。
そのため、お湯の残量には注意して、お湯を使用しなければいけません。
冬場にお湯が出なくなることがある
エコキュートは、凍結によってお湯が使えなくなる時があります。
お湯の通り道となる、給湯配管やふろ配管が寒さで凍結することがあるからです。
配管が凍結してしまったら、解凍する必要があります。
これに関しては修理業者を呼ぶか、自然解凍を待ったりしなければいけません。
このように、冬の寒さが厳しい地域では、エコキュートの防寒対策や凍結した後の対処を行う必要がでてくることに注意しましょう。
騒音問題が発生することがある
エコキュートは深夜の稼働から、騒音問題となることが多くあります。
エコキュートについているヒートポンプユニットが低周波を発生させるからです。
寝室の近くに設置すると、なかなか寝付けない人や隣人のトラブルに発生することがあります。
ですので、エコキュートを設置する際には、「隣人や寝室から距離を取る」・「防音シートを付ける」などの対策が必要になります。
水圧が弱いものもある
エコキュートは、商品によって水圧が弱いものもあります。
エコキュートは貯湯タンクが水圧で壊れないようにするために、減圧処理を行っているからです。
シャワーをよく使う人にとっては物足りなさを感じることもあります。
近年は高圧給湯タイプも出てきているので、水圧に不安がある人は高圧タイプにするのがおすすめです。
リンナイのエコジョーズの使用の際に注意するべきこと
では、次にリンナイのエコジョーズを使用する際に、どのようなことに注意すべきか解説します。
- ドレン排水のための工事が必要
- エコジョーズから出る排気ガスに注意する
- ガスの使用量が多くないと節約にならない
- 10年に1度にエコジョーズの部品「中和器」の交換が必要
ドレン排水のための工事が必要
エコジョーズを設置する際には、ドレン排水のための工事が必要になります。
ドレン排水とは、エコジョーズで再利用する排熱の温度を下げるために発生する水のことを指します。
ドレン排水は酸性の水であるため、そのまま流してしまうと人体や環境に悪影響をもたらします。
ドレン排水は下水道法にしたがって適切に処理する必要があるため、エコジョーズを設置の際には専用の工事を行わなければいけません。
エコジョーズから出る排気ガスに注意する
エコジョーズを購入する際には、エコジョーズの排気口の向きにも注意しなければいけません。
エコジョーズの排気口から出る排気ガスも、酸性だからです。
この排気ガスが家の壁や金属製品に当たってしまうと、腐食や変色の原因にもなります。
そのため、排気口の向きは購入前に確認する必要があります。
改善が難しい場合は、廃棄カバーやアダプターを使用し、排気口の方向を調整する工夫をしましょう。
ガスの使用量が多くないと節約にならない
エコジョーズは、多くお湯を使用しないと節約効果があまり見込めないことがあります。
エコジョーズは使用された熱を再利用して給湯を行い、効率よくお湯を沸かせる仕組みになっているからです。
エコジョーズの導入を考えているなら、普段どれだけお湯を使用しているか把握することが大切になるでしょう。
10年に1度にエコジョーズの部品「中和器」の交換が必要
エコジョーズは中和器という、部品の交換が10年に1度必要になります。
中和器とは、ドレン水を炭酸カルシウムで中和して排出する役割を持っています。
一般的に中和器は10年超えると、炭酸カルシウムが減少し、交換しなければいけなくなります。
交換費は目安となりますが、「出張費・作業費・部品代」を合計した11,000円~16,500円ほどです。
エコキュートとエコジョーズを徹底比較!まとめ
エコキュートとリンナイのエコジョーズは同じ給湯機ですが、電気かガスを使用するかでかなり性能が変わります。
エコキュートはランニングコストが安く、安全性が高いです。
その一方で、リンナイのエコジョーズは導入コストが安く、コンパクトに設置することができます。
これらを踏まえ、以下のような人がエコキュートの使用に向いています。
- 光熱費を節約したい人
- オール電化住宅を考えている人
- 災害時でも安心して使用したい人
また、以下の人がリンナイのエコジョーズの使用に向いています。
- お湯を切らす心配をしたくない人
- 家族が多く、お湯をよく使う人
- コンパクトに設置をしたい人
- 初期費用を安くしたい人
- 昼間にも家族が自宅にいる人
エコキュートとリンナイのエコジョーズは、どちらにも長所と短所があります。
ですので、周りの環境や家庭内でのガス使用量などを考慮したうえで、購入をするようにしましょう。