2022年4月15日
【ガス代が高いのはお風呂】ガス代を節約するならお風呂を対策

家計の支出の中でも、大きく占めているものが【ガス代】です。
ガス代を減らすことが家計全体の節約に繋がりますが、気を付けていてもなかなか減らせないため、多くの方が放置されていることでしょう。
ガスを最も使うのはお風呂ですが、特に家族で生活しているとお風呂に入る回数も人数分だけ多くなるので、ガス代が高くなっても諦めている家庭も多いようです。
この記事では4人家族を例に、お風呂のガス代を減らすための節約術とエコキュートについて解説していきます。
1カ月のガス代を少しでも減らす節約術を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
4人家族が使うガス代は1か月でどれくらい?
総務省が2020年における、都市ガスの1カ月分の平均ガス使用料を季節別で公表していますので、紹介させていただきます。
ご自身の家庭と比較して、平均的なガス代と現在がどれくらい乖離しているのか参考ください。
1人世帯 | 2人世帯 | 3人世帯 | 4人世帯 | |
1月~3月 | 3,333円 | 5,745円 | 6,270円 | 6,784円 |
4月~6月 | 3,155円 | 4,908円 | 5,550円 | 5,083円 |
7月~9月 | 2,380円 | 3,215円 | 3,824円 | 3,474円 |
10月~12月 | 2,533円 | 3,549円 | 4,354円 | 4,150円 |
出典:e-stat
どの世帯も1月~3月のガス代が最も高い傾向にあります。
これは冬は外が寒いため、お湯を沸かすために使うガスの量が多くなるのが原因です。
そして、この表から分かるように4人家族の場合、年間を通してガス代1カ月間の平均は約4,800円程度です。
1年に換算すると約6万円になり、光熱費に占めるガス代が大きいことがわかります。
ガスは家の至るところで使われていますが、家の中で使われている場所と割合は以下のようになります。
- お風呂や手洗い場の給湯(60%)
- 暖房機能(10%)
- キッチン(15%)
- 照明やその他の動力(15%)
お風呂の給湯が、ガス代全体の6割以上を占めています。
家庭によっては長風呂が多くて、これ以上の割合になっていることも少なくありません。
もちろん、寒い冬場は7割を超えることもあるでしょう。
そのため、ガス代を1番減らすには、お風呂で使われているガスの量を減らすことが最も大切となります。
キッチンや暖房、その他の動力は生活する上でどうしても必要になるので、ガス代を減らしにくく、この部分を減らそうとすると生活に支障が出てくる可能性があります。
例えば、暖房機能の使用を減らせば風邪を引いてしまうかもしれませんし、キッチンはもともとのガス使用量が少なく、さらにガスを使わないようにするというのは現実的ではありません。
仮にできたとしても、節約できる金額はそこまで大きくないでしょう。
なので、お風呂のガス節約が家庭全体のガス代を大きく減らすことに繋がります。
ガス代の節約に関して、対策すべきは何よりもお風呂と給湯です。
都市ガスとプロパンガスではガス代が違う?
先ほど紹介したガス代の平均金額を見て、「うちのガス代はもっと高い」と思われた方もいらっしゃることでしょう。
ガスには大きく2つの種類があり、都市ガスとプロパンガスがあります。
地方ではプロパンガスを使っている地域が多く、都市ガスに比べてガス代が2〜3倍ほど高くなっています。
プロパンガスが都市ガスに比べて高い理由は以下の3つです。
- 経費や設置費用が多くかかる
- 会社側が自由に価格を決めれる
- 会社同士で価格協定を結んでいる
一つずつ解説していきます。
経費や設置費用が多くかかる
プロパンガスは、ガスボンベを自宅に配送してガスを供給しています。
そのため、ガスボンベの配送料や維持にかかる必要経費や人件費がかかり、その分もガス代として上乗せされるため、高くなってしまいます。
また、プロパンガスを利用するための設置初期費用はガス会社側が最初に支払ってくれますが、負担しているわけではありません。
設置費用分は分割で月々のガス代に上乗せされているので、その分ガス代が高くなるのです。
会社側が自由に価格を決めれる
都市ガスは公共料金の扱いなので価格に法律が適用されますが、プロパンガスは自由に価格を決めることができます。
そのため、会社の利益を求めて高額な価格に設定しているプロパンガス会社も、決して少なくありません。
「うちのガス代、ちょっと高すぎないかな?」と感じたら、一度料金の見直しをしてみてもいいかもしれません。
会社同士で価格協定を結んでいる
プロパンガスの会社は数多くあり、1社が値下げすれば、契約者は安いプロパンガス会社に流れてしまいます。
1社に顧客が集中しないよう、昔からプロパンガス会社は、それぞれ価格協定を結んでいます。
ですので、価格が下がりにくい状態になっており、値下げはなかなか行われないのが現状のようです。
ガス代の見直しを図ろう
自宅がプロパンガスの方は、ガス代の見直しを図りましょう。
すでに契約している状態でも、ガス会社を変更することが可能です。
以下で詳細に解説しますが、給湯器をエコキュートに変えることで、ガス代の大幅な節約に繋がります。
地方暮らしでプロパンガスを使われている方は、毎月のガス代が70%も削減されることがあります。
毎月のガス代が高いと感じているかたは、ぜひエコキュートの導入を検討してみましょう。
エコキュートで1か月のガス代はどのくらい安くなる?
エコキュートを利用すると、どうしてガス代が安くなるのか?
その理由の説明として、まずはエコキュートの仕組みについて、解説していきます。
エコキュートは、ヒートポンプという機能を使って空気の熱でお湯を湧かす電気給湯器です。
そして、ヒートポンプ機能には電気が使われます。
「電気を使うってことは電気代がその分高くなるんじゃない?」と不安を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、エコキュートには電気代を抑える工夫が施されています。
電気料金には、どの時間でも一定の金額になるプランの他に、時間帯によって値段が変わる仕組みのものがあります。
時間帯によって値段が変わるプランは、同じ時間をかけて電気を使っても、深夜の方が安くなります。
エコキュートは夜の間に翌日分の給湯をする仕組みになっているので、時間帯によって値段が変わるプランに変更することで、電気代を大きく節約できます。
エコキュートを導入すると電気代はおよそ1,000円程度上がってしまいますが、給湯に使うガス代は0になりますので、ガス代を6〜7割減らせることになります。
金額で言うと都市ガスでも毎月3,000円以上、プロパンガスなら毎月8,000〜12,000円ほどの節約になりますので、エコキュートの電気代を差し引いてもかなりのお得になります。
エコキュートを導入するにはどのくらい費用がかかる?
毎月の光熱費をお得にできるエコキュートですが、導入するには以下の2つの費用がかかります。
- エコキュート本体料金
- 取り付け工事代金
エコキュート本体料金は近年相場がかなり下がってきていて、貯蓄できる水量にもよりますが20~30万円台で購入できます。
取り付け工事はおよそ10万円程度かかりますので、最低でも合計で30~40万円ほどの資金で事足ります。
エコキュートを導入すると何年で元が取れる?
4人家族の場合、エコキュートを導入すると都市ガスで毎月3000円以上、プロパンガスなら毎月8,000〜12,000円お得になります。
ですので、都市ガスなら10年程度、プロパンガスなら4年ほどお使いになれば、元を取ることができます。
エコキュートの寿命は10年から15年と言われているので、基本的に使い切れば元が取れて、それ以上にお得になる仕組みになっています。
エコキュートのメリットは?
エコキュートは使い続ければガス代がお得になり、設置に必要な費用の元も取れる仕組みでした。
そんなエコキュートには、次のようなメリットが存在します。
- 電気料金のプランが変更することで、さらなる節約に繋がる
- 使い方が簡単
- 音が静かで騒音防止になる
以降で、それぞれ詳しく解説していきます。
電気料金のプランを変更することで、さらなる節約に繋がる
時間帯によって値段が変わるプランは、深夜の電気料金が通常の約4分の1になり、日中の電気代がその分割り増しになったりするものがあります。
ですので、電気代の安い時間帯に家事をするようにすれば、エコキュート以外でも電気代の節約に繋がります。
エコキュートを導入すると電気代が増えるとお伝えしましたが、上手に利用すればむしろ電気代を減らすことも可能になります。
また、エコキュートを導入すると給湯量の目安が表示されるので、お湯をどれくらい使っているかが一目で分かります。
「お風呂でお湯使いすぎたから気を付けよう」という判断材料にもなるので、さらなる節約もしやすくなることでしょう。
使い方が簡単
エコキュートは使い方がとても簡単です。
専用パネルの見やすさや使い方の簡単さは、エコキュートの大きなメリットの1つです。
お湯を出す際に前もってスイッチを押す必要もなく、すぐにお湯が出るので、お湯が温まるまで待つということもありません。
そのため、「新しい機械は苦手」という方でも、安心してお使いいただけます。
音が静かで騒音防止になる
「本当は夜中にゆっくりお風呂に入りたいんだけど、騒音が心配で入れない」と、お悩みの方もいらっしゃるかと思います。
エコキュートは、作動させたときの音がとても静かなので、騒音の心配もありません。
騒音のレベルは40㏈程度で、図書館の館内と同じレベルとなっており、深夜にお風呂に入っても全く問題ありません。
エコキュートのデメリットは?
エコキュートはお風呂のガス代節約になり、メリットもたくさんありますが、デメリットもいくつかあります。
以下の3つが、主なデメリットです。
- お湯が無くなる危険性がある
- 設置場所を確保しなければならない
- 電気代が高くなる可能性がある
それぞれ詳しく解説していきます。
お湯が無くなる危険性がある
エコキュートはその他の水道設備のように、好きなだけお湯を出せるわけではありません。
深夜のうちに翌日のお湯を貯蔵する仕組みなので、貯めているお湯を全て使い切ってしまうとお湯が出なくなってしまいます。
対策としては、お湯の使用料や残量を確認して、使いすぎないようにすることが重要です。
エコキュートの機種によっては、お湯が少なくなると自動で沸き増しをする機能や、エコキュートが生活リズムを学習し、家庭の生活に合わせて貯蔵するお湯の量を決める「おまかせモード」があります。
しかし、どれも電気代が割増しになる可能性があるので注意が必要です。
設置場所を確保しなければならない
エコキュートを導入するには、専用のタンクを設置するスペースが必要になります。
タンクは小さい物でも約300リットル以上の水を貯蔵できるものになっており、スペースはおよそ縦80㎝×横80㎝の以上の広さが必要です。
高さはタンク容量に比例して、上にタンクが長くなる設計が多いので、大容量の場合は高さにも注意しましょう。
購入する前にはエコキュートの大きさを確認して、そもそも設置スペースを確保できるかのチェックが必要です。
電気代が高くなる可能性がある
エコキュートを導入したら、電気代が高くなったという事例があります。
これは先ほども解説しましたが、日中の電気代が高くなるプランに切り替えたことが原因です。
対策としては、エコキュートを導入する前に家族で電気を使う時間帯の検討をしっかりと行うことが大切です。
そして、電気代の高くなる時間帯はなるべく電気を使わないような工夫をしましょう。
エコキュートの機種によっては、電気代が高くなる時間帯に沸き増しをしないように設定できるものもあるので、そういった機能を利用すると良いでしょう。
エコキュート以外にも、こんなガス代節約術がある
エコキュートを導入すると、お風呂のガス代を節約できることをお伝えしましたが、他にもガス代を節約する方法があります。
以下の3つがお風呂のガス代を節約する方法です。
- お湯の温度を下げて、こまめにお湯を止める
- シャワーヘッドを節水タイプのものに変える
- 追い炊き機能の使用を控える
詳しく解説していきます。
お湯の温度を下げて、こまめにお湯を止める
お湯の設定温度を高くすればするほど、そのためにガスが多く必要になるので、ガス代が高くなってしまいます。
そのため、お風呂を利用する際はなるべく低い温度に設定すると、使うガスの量が少なく済みます。
また、お湯を出しっぱなしにしているとガス代も常にかかってしまうので、使ってないときはこまめに止めることを心がけましょう。
シャワーヘッドを節水タイプのものに変える
シャワーヘッドを変えることで、お湯を使う量を減らすことができ、ガス代の節約に繋がります。
水道代の節約にも繋がるので、効率が良く、おすすめの方法です。
シャワーヘッドは家電量販店で簡単に購入できるうえ、インターネットでも売られています。
製品によって水圧や節水の量が変わるので、しっかりと確認してから購入しましょう。
追い炊き機能の使用を控える
追い炊き機能を使うと、それだけ余分なガスを消費することになるので、ガス代が上がってしまいます。
浴槽のお湯を追い炊き機能で5度程度上げるのに、1回辺り20円ほどかかると言われていますので、毎日使えば年間6000円以上かかることになります。
なるべく家族で同じ時間にお風呂に入るようにし、浴槽に蓋をするなどの対策をしましょう。
お風呂以外のガス代の節約方法
お風呂以外でガス代を節約する方法は生活に支障をきたすことが多いとお伝えしましたが、簡単にできるものもあります。
特に節約できるのはキッチンです。
お風呂の次にガスを多く利用するキッチンですが、少し意識を変えるだけでもガス代を節約できます。
まずは、積極的に電子レンジを利用しましょう。
電子レンジの電気代の方が安いので、温める場合は電子レンジを利用した方が節約になります。
そして、料理工程でガスを使わないような工夫をすることが大切です。
「お湯はケトルで沸かす」「圧力鍋で余熱を利用する」といった工夫をして、ガスの使用を減らしましょう。
ガス代を1番節約できるのはエコキュート
たくさんの節約術をお伝えさせていただきましたが、やはり1番節約できるのはエコキュートの導入です。
エコキュートを導入すれば、お風呂のガス代を大幅に節約できます。
エコキュートの使用に関して、大切なポイントは以下3つです。
- 高温足し湯機能を使う
- 休止モードを使う
- お湯を使わない時は自動沸き増し機能を止める
高温足し湯機能を使う
冷たくなった浴槽に入る際に、追い炊き機能を使われる方は多いと思います。
また、ぬるくならないよう保温機能を使う人も多いことでしょう。
ですが、追い炊き機能や保温機能を使うより、【高温足し湯】という機能を使った方がはるかに省エネになります。
追い炊きや保温は温める分余計に熱を使うことになりますが、高温足し湯は貯蔵しているお湯を使うだけなのでおすすめです。
休止モードを使う
お湯を使わない期間が数日続いたり、旅行などで長期で家を空ける際は、休止モードを利用しましょう。
沸き増し機能が作動しなくなるので、電気代の節約になります。
お湯を使わないときは自動沸き増し機能を止める
お湯が無くなったら自動で沸き増しをする【自動沸き増し機能】はとても便利ですが、お湯を使わない日に作動すると、電気代の無駄になってしまいます。
特にこの機能が日中に作動すると、電気代がかなり高くなってしまうので注意が必要です。
「今日はもうお湯使わないな」という日は、自動沸き増し機能を止めておきましょう。
エコキュートを導入すると補助金がもらえる?
エコキュートを導入すると、国や自治体から補助金をもらえる可能性があります。
お住いの自治体によって条件や制度が異なるので、事前に確認しておきましょう。
数万円~数十万円の補助金が出るため、活用できる場合はしっかりと申請するようにして下さい。
まとめ
エコキュートは設置するのに大きな費用がかかりますが、毎月のお風呂のガス代の節約に繋がります。
特に地方暮らしでプロパンガスの方は、より大きな額の節約ができます。
見積もりを無料で行っているところが多くありますので、まずは見積りをして詳しく聞いてみることをおすすめします。