2022年10月27日
【今さら聞けない】ポータブル電源の選び方|容量別の主な製品も紹介

近年、ひとりで楽しむ「ソロキャンプ」や近場での「ファミリーキャンプ」が空前の大ブームといわれています。そんなアウトドアレジャーの必需品として欠かせないのが、ポータブル電源です。
ポータブル電源は、キャンプや車中泊などさまざまな場面で活用できます。「ポータブル電池」「ポータブル蓄電池」とも呼ばれ、アウトドアだけでなく、非常用の防災用品としても近年注目されています。
国内外あわせてさまざまなメーカーから製品が販売されており、どれを選べば良いのか迷ってしまう方もいるでしょう。
この記事では、アウトドアライフを謳歌する方々が、‘絶対に知っておいたほうが良い’ ポータブル電源の概要と購入を検討する場合の選び方、さらに、容量別に ‘人気のメーカーとして押さえておきたい’ 主な製品を紹介しています。
アウトドアレジャーを楽しんでいる方、購入を検討している方は、ぜひご覧ください。
ポータブル電源について
ポータブル電源は、その本体内に電気を蓄積し、電化製品など外部の機器に給電を行う装置です。一つ持っていると、キャンプや車中泊などのアウトドア時にも電化製品を使うことができます。
例えば、冬の寒い時期にも外で電気毛布を使えたり、夏の時期には扇風機を使えたりと、アウトドア時の快適さが格段に変わるでしょう。
さらに、災害時に停電が起こった場合の非常用電源としても使用できるため、防災用品という側面でも近年人気が出てきています。
ソーラーパネルとつないで使用することも可能で、進化と普及が進んでいます。
ポータブル電源とソーラーパネルを活用したリモートワークについて、こちらの記事で紹介していますのでぜひご覧ください。
ポータブル電源とソーラーパネルはリモートワークで大活躍|ソーラーパネルの選び方とおすすめ3製品をご紹介
ポータブル電源の構造・仕組み
ポータブル電源は、インバーターを使用してDC電力をAC電力に変換し、電気を供給します。
市販されているポータブル電源の多くは「リチウムイオン電池」を内蔵しており、充電容量が減りにくく寿命が長い特徴を持っています。
ポータブル電源の出力ポートは、ACやDC、USBなどさまざまで、幅広い電子機器や家電製品への給電が可能です。
また、ソーラーパネルとあわせて使うことで、より経済的に給電ができます。
モバイルバッテリーとの違い
モバイルバッテリーとの大きな違いは、AC電源がある点です。一般的なモバイルバッテリーはUSB ポートのみであることがほとんどで、例えば、パソコンや扇風機などの電化製品には使用できません。
ポータブル電源は、冷蔵庫などの大型家電のほか、電子レンジやドライヤーなど、消費電力が大きい家電製品が稼働できるモデルも多くあります。
モバイルバッテリーよりも蓄電容量が大きく、長時間使用できる点でも違いがあります。
ポータブル電源を選ぶポイント
選ぶポイントは用途によりさまざまですが、下記の4点はチェックしておくと良いでしょう。
- バッテリー容量
- 定格出力
- 出力ポート
- 機能性
バッテリー容量
ポータブル電源には容量があり、時間当たりの電力使用量が決まっています。容量を表すWh(ワットアワー)の数値が大きければ大きいほど容量が大きく、電力をより多く蓄積できます。
例えば自宅の庭やバルコニーなどで使用する場合は、すぐに電力をチャージできることからも、そこまで大きな容量は必要ないでしょう。
しかし、キャンプなどのアウトドアで使用する場合は、ある程度の容量がある商品を選んでおくと安心です。具体的には、キャンプで使用する場合には500Wh以上あるものを選んでおくと良いでしょう。
また、防災目的でポータブル電源を導入する場合は、1000Wh以上を選ぶのがおすすめです。災害時の停電は長引く可能性もあるため、3〜4日ほどは耐えられるほどの、十分な容量のものを準備しておくと、安心感につながります。
定格出力
ポータブル電源から外部に安全に給電できる電力を「定格出力」といいます。
スマホやタブレットなど小さな電子機器だけではなく、ポータブル電源を家電製品に使用したいと考える方もいるでしょう。
家電製品に使用する場合には、使いたい家電製品がきちんと動作できるか、定格出力を事前に確認しておくことが大切です。
使いたい家電製品の消費電力が定格出力を上回る場合は使用できないため、注意が必要です。
出力ポート
ポータブル電源の出力ポートは、AC、DC、USBが一般的です。各出力ポートが自分が使用したい用途に適しているかも、選ぶポイントとなるでしょう。
例えば、スマートフォンやタブレットに使いたいと考えている場合は、USBポートがあると便利です。
製品によって採用している出力ポートや数が異なるため、用途にあったものを選ぶことが大切です。
機能性
搭載されている機能も、選ぶポイントの一つです。
最近では、別売りのソーラーパネルを使用し、太陽光発電を用いて充電が可能な製品も多くあります。災害時に停電した状態でも、太陽光を使って充電できる点は魅力的ですよね。
そのほか、カーチャージ機能がついているものもおすすめです。キャンプ場へ向かうまでの間に車で充電もでき、災害時に停電が発生した場合にも車からの充電が可能です。
他にも、防水やLEDライトの機能が搭載された製品も販売されています。
用途にあった機能、より快適に使える機能が搭載されているかも確認すると良いでしょう。
【容量別】ポータブル電源の紹介
ここからは、容量別に主なポータブル電源を紹介します。さまざまなメーカーから複数のモデルが販売されていますので、気になった方はぜひ導入を検討してみてくださいね。
【200〜400Wh】庭・バルコニー向け
庭やバルコニーでパソコンを使ったり、バーベキューをしたり、DIY作業を行ったりする場合に、ポータブル電源があればより快適になりますよ。
Jackery ポータブル電源 240
ポータブル電源を多数販売しているJackery(ジャクリ)の中で、最も軽量モデルの製品です。
庭やバルコニー、ベランダなどで使えるほか、日帰りのキャンプやピクニックでも活用できます。
3.1kgと軽量で持ち運びしやすい設計も嬉しいポイントです。前面には大画面のディスプレイを設置し、電池残量もひと目で確認できます。
バッテリー容量 | 240Wh |
定格出力 | 200W(瞬間出力400W) |
出力ポート |
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充電方式 |
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サイズ | 230×133×167mm |
重さ | 3.1kg |
AUKEY ポータブル電源 PS-RE03
モバイルバッテリーや充電器でも知られるAUKEY(オーキー)から販売されている、コンパクトで持ち運びに便利なモデルです。
ポータブル電源には珍しい丸型のデザインで、かわいらしい見た目をしています。
スマートフォンやノートパソコンを高速で充電できるだけでなく、本体の充電にType-C ポートを利用し、ACアダプターと並行することで、約2.5時間という短時間でフル充電も可能です。
デザイン性の高さだけでなく、その性能も優れたものであると人気の製品です。
バッテリー容量 | 297Wh |
定格出力 | 300W(瞬間出力400W) |
出力ポート |
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充電方式 |
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サイズ | 262×160×156mm |
重さ | 3.7kg |
【500〜900Whh】アウトドア・レジャー向け
アウトドア時にスマートフォンやガジェット類の充電ができると便利ですよね。
また、冬場であれば電気毛布、夏場であれば扇風機などを外で使う場合に、ポータブル電源が活躍します。
Jackery ポータブル電源 708
定格出力500W、Jackeryのポータブル電源です。
電化製品を接続できるAC100Vコンセントが2つ搭載されており、キャンプや車中泊などのレジャーにおすすめしたいモデルです。
スマートフォンやノートパソコン、タブレットなどを充電できるUSBポートのほか、シガーソケットも1口搭載されており、ポータブル冷蔵庫などを使用することも可能です。
また、電気用品安全法の基準に適合した電化製品のみが使用できる「PSEマーク」や、防災製品等推奨品認証を取得しており、安全性の高さも魅力の商品です。
バッテリー容量 | 708Wh |
定格出力 | 500W(瞬間出力1000W) |
出力ポート |
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充電方式 |
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サイズ | 299.7×191.5×190.5mm |
重さ | 6.8kg |
ANKER ポータブル電源 Anker 535 Portable Power Station
リチウムイオン電池内蔵で、長寿命を実現している製品です。1週間に3回使用しても8年以上は使えると称されており、長期間使えるモデルを探している方にもおすすめの製品です。
ランタンやフラッシュライトとしても使えるLEDライトが内蔵されており、アウトドアや停電時にも活用できます。
バッテリー容量 | 512Wh |
定格出力 | 500W(瞬間出力1000W) |
出力ポート |
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充電方式 |
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サイズ | 292×251×188mm |
重さ | 7.6kg |
車中泊におすすめしたいポータブル電源は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
車中泊におすすめのポータブル電源20選|使い道に合った容量を選ぼう
【1000〜1500W】非常用の備えにも最適
1000W以上あれば、停電時の備えとしても安心できる容量です。
また、2,3泊のキャンプでも十分に活用できるでしょう。
Smart Tap PowerArQ Pro
「PowerArQ」は、独自のカラーバリエーションを展開している人気のブランドの一つです。
おしゃれなカラーやデザインはそのままに、あらゆる家電製品に給電できる大容量モデルです。
搭載されている4つのUSBポートのうち3つが急速充電規格に対応しているため、対応する端末とケーブルがあれば、フルスピードの充電にも活用できます。
4種類8ポートのポートを備え付けており、最大8台の同時給電が可能です。
バッテリー容量 | 1002Wh |
定格出力 | 1000W(瞬間出力2000W) |
出力ポート |
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充電方式 |
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サイズ | 333×235×273mm |
重さ | 10.425kg |
JVCケンウッド ポータブル電源 BN-RB10-C
あらゆる専門機関による安全性試験や独自の安全基準をクリアした設計と、国内メーカーならではのサポート体制が魅力の、JVCケンウッド最上位モデルのポータブル電源です。
ディスプレイでバッテリーの残量や入力出力の数を確認しやすい点もポイントです。
ボタンを押すだけでディスプレイが明るくなるため、夜間や外出先でもひと目で確認できます。
ハンドルは折りたたみ式で、邪魔にならずにスマートに設置できるでしょう。
バッテリー容量 | 1002Wh |
定格出力 | 1000W(瞬間最大2000W) |
出力ポート |
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充電方式 |
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サイズ | 333×244×234mm |
重さ | 10.9kg |
【2000Wh〜 】あらゆるシーンで使えるメガ容量
EcoFlow DELTA Max
EcoFlowの一般向けポータブル電源の中で、最上位モデルの製品です。
専用のエクストラバッテリーも販売されており、容量の拡張が簡単にできます。
レジャーはもちろん、万が一の場合の災害時などにも対応できる汎用性の高いポータブル電源であるといえるでしょう。
サイズ感はコンパクトですが、バッテリー容量に比例し約22kgの重さがあります。
持ち運びには男性でも苦労する重さとなりますので、運び出すことを想定している方は、よりコンパクトなモデルを検討するのをおすすめします。
バッテリー容量 | 2016Wh |
定格出力 | 2000W(瞬間出力4200W) |
出力ポート |
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充電方式 |
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サイズ | 497×242x305mm |
重さ | 22kg |
Jackery ポータブル電源 2000 Pro
定格出力2200Wを誇るJackeryのポータブル電源です。
消費電力の大きいホットプレート IH調理器などの家電製品を屋外でも使用したいと考えている方におすすめです。
また、高出力のため、家庭用の冷蔵庫や電子レンジなどを使用することも可能で、災害時の停電の際の備えとしても活用できます。
過放電や過充電などを防止するバッテリーマネジメントシステム、異常発熱を防ぐ温度センサーを搭載しており、安全性も確保されています。
バッテリー容量 | 2160Wh/600000mAh |
定格出力 | 2200W(瞬間出力4400W) |
出力ポート |
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充電方式 |
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サイズ | 384×269×307.5mm |
重さ | 19.5kg |
まとめ
ポータブル電源は、製品ごとに大きく特徴が異なります。
機能性ももちろん重視したいポイントではありますが、その分価格が上がってしまう可能性もあります。
用途を明確にして容量や定格出力を確認し、欲しい機能が搭載されている製品を選ぶのがポイントです。
購入を検討している方は、今回紹介したおすすめ製品も参考にしてみてくださいね。