2022年7月7日
【使用は慎重に】エコキュートで入浴剤・バスソルトを使う方法

エコキュートの需要も増え、ご家庭でエコキュートを利用している人も多くなっています。
一方で入浴時の楽しみとして、入浴剤を使用している人も多いことでしょう。
しかし、エコキュートだからといって入浴剤の使用を諦めていたり、間違った入浴剤の使い方をしている人も多いようです。
安心して快適なバスタイムを過ごして頂くためにも、エコキュートを正しく使いながら入浴剤を使う方法について、以下でわかりやすく解説していきます。
エコキュートで入浴剤・バスソルトは使えるのか?
「エコキュートは、入浴剤やバスソルトを使うことが出来ない・・・」
「エコキュートは自動洗浄機能が付いているからら、どんな入浴剤やバスソルトを使っても大丈夫!!」
と思ってる人が多くいますが、これは、どちらも間違っています。
そして、間違った使い方はエコキュート本体の不具合や故障を招きかねません。
入浴タイムを楽しむためにも、正しい知識と正しい方法で入浴剤を利用する必要があります。
「エコキュートに入浴剤・バスソルトは使用しても大丈夫か?」という疑問について、メーカー推奨品と合わせて解説していきます。
1.『入浴剤』『バスソルト』使用可否
エコキュート×『入浴剤』の使用可否について、答えは「使用可能」となっています。
ただし、注意が必要です。
エコキュートの機種によっては「使えない」機種の場合があります。
また、使用する入浴剤は使っているエコキュートメーカーの「推奨品」を使用する必要があります。
そして、『バスソルト』の使用可否については、どのメーカーも「使用不可」となっています。
入浴剤とは異なり、バスソルトは一切使用する事が出来ません。
これは機種やメーカーに関わらず、全く使用できないことを意味しています。
名前にもあるように、『ソルト』=『塩』の成分はエコキュートにとって故障の原因のひとつです。
2.『 入浴剤』の使用に注意が必要な理由、『バスソルト』が使えない理由
エコキュートは浴槽のお湯を循環させる機能があります。
というのも、循環を利用するエコキュートの機能は「自動保温機能・追い炊き機能・洗浄機能」などがあげられます。
このような機能は、浴槽のお湯が『配管』を通り、貯湯タンクユニット内へ戻ります。
その後、貯湯タンクユニット内部にある熱交換器の熱の力を利用し、お湯が温められ浴槽へ戻ります。
『入浴剤』や『バスソルト』は様々な成分が含まれている為、お湯が循環することによって配管や金属部分が腐食する原因となったり、センサーの誤作動やフィルターの目詰まりなど不具合や故障の原因となってしまいます。
3.エコキュートが使用禁止とする入浴剤の主な成分
入浴剤には疲労回復効果・血行促進効果・リラックス効果・美肌効果・睡眠質向上効果など、多くの有効的な効果をもたらしてくれますが、様々な成分によって作られています。
その中には、エコキュートに不具合をもたらす要因となる成分が含まれていることが多いので、使用する際は注意が必要です。
使用禁止成分と故障・不具合の事例が下記になります。
- ミルク成分やとろみ成分
(ポンプ内や配管へ湯垢が付着しやすくなり、循環口フィルターの目詰まりを起こす)
- 発砲成分(バブルタイプ)の入浴剤
(エコキュートのポンプ内に、発砲した泡が入ることによってセンサーが誤作動を起こす)
- 硫黄、塩分、アルカリ、酸
(エコキュート金属部分、配管の腐食や錆を起こす)
- 固形物
(お湯に溶けない固形物が循環フィルターの目詰まりを起こす)
入浴剤に対応しているエコキュートの見分け方
エコキュートは大きく分類すると3つのタイプに分類することが出来ます。
- 給湯専用タイプ
- オートタイプ(セミオートタイプ)
- フルオートタイプ
それぞれの機能の違いと、入浴剤の使用可否を解説します。
エコキュート給湯専用タイプは入浴剤が『使用できます』
給湯専用タイプは名前の通り”給湯専用”です。
追い炊きや保温含む自動機能を搭載していません。
一方方向にのみお湯が配管を通り、逆流することがない構造になっています。
すなわち、浴槽のお湯が貯湯タンクユニット内や配管へ戻ることがないため、入浴剤を使用することができます。
※自動機能が搭載されていない機器の為、”湯張りや足し湯”全て手動で行う必要がある機種です。
エコキュートオートタイプ(セミオートタイプ)は入浴剤が『使用できます』
オートタイプは”自動湯はり”・“たし湯”・”高温さし湯”などの機能は搭載されていますが、”追い炊き”機能は搭載されていません。
すなわち、給湯専用タイプ同様に浴槽のお湯が貯湯タンクユニット内や配管へ戻ることがないため、入浴剤を使用することができます。
エコキュートフルオートタイプは『制限を守れば、入浴剤が使用できます』
フルオートタイプは”自動湯はり”や”自動保温””追い炊き”など豊富な機能を搭載し、とても便利な機種です。
便利な反面、”自動保温”や”追い炊き”は浴槽のお湯を貯湯タンクユニット内へ戻し、タンク内部でお湯が温められ浴槽へ戻ります。
この仕組みが、使用できる入浴剤の制限がある理由です。
エコキュート本体のタンクや、配管に入浴剤成分を含んだお湯が通ることになり、不具合の要因となります。
入浴剤を使用する際は、メーカー推奨商品を使うなど注意が必要です。
『バスソルト』に関しては、全ての機器で使うことが禁止されています。
バスソルトに含まれる”塩分”の利用を認めたているメーカー及び機種は現在のところ存在していません。
入浴剤の使用可否をエコキュート機器で判断する方法は、『フルオートか?』もしくは、『お湯が循環する機能が搭載されているか?』で判断することが出来ます。
メーカーごとに推奨している入浴剤
各メーカーは、エコキュートで使用できる入浴剤のテストを行い、合格した入浴剤(エコキュートに不具合や故障を引き起こさない)と判断できた入浴剤を【推奨品】としています。
推奨された入浴剤であれば、安心して使用することが出来ます。
但し、メーカー毎に推奨商品が異なるので使用前に確認する必要があります。
主要メーカーの推奨商品と使用禁止成分を合わせて解説します。
パナソニックのエコキュート
- バブ
- バスクリン
- きき湯
- バスロマン
※全て濁りタイプ・パウダータイプは除きます
パナソニック:使用出来ない入浴剤成分
- 生葉などの固形物が含まれるもの
- 硫黄、酸、アルカリ、塩分 成分を含むもの
- 生薬等、固形物を含むもの
- 推奨品以外のバブルバス(炭酸ガス、発砲系のもの)
三菱のエコキュート
注意:三菱はエコキュート製造時期によって推奨入浴剤が異なります
2010年~2018年
- バブ
※全て濁りタイプ・パウダータイプは除きます
2018年以降
- バブ
- バスクリン
- バスロマン
※全て濁りタイプ・パウダータイプは除きます
三菱:使用できない入浴剤成分
生薬などの固形物が含まれるもの
硫黄、塩化ナトリウム、シリカ成分を含むもの
生薬等、固形物を含むもの
推奨品以外のバブルバス(炭酸ガス、発砲系のもの)
ダイキンのエコキュート
※バスクリンの入浴剤に限り、発砲タイプ・濁り湯タイプを使用できます(ダイキンだけの特徴です)。
- バスクリン
ダイキン:使用できない入浴剤成分
硫黄、酸、アルカリ、塩分
推奨品以外のバブルバス(炭酸ガス、発砲系のもの)
東芝のエコキュート
- バブ
- バスクリン
- バスロマン
※全て濁りタイプ・パウダータイプは除きます
ダイキン:使用できない入浴剤成分
硫黄、酸、アルカリ、塩分、ミルク 成分を含むもの
生薬等、固形物を含むもの
推奨品以外のバブルバス(炭酸ガス、発砲系のもの)
入浴剤を使った時の注意点
推奨商品を使った場合も使い方には注意が必要です。
間違った使い方をすると、故障や不具合の要因となり、エコキュート本体の寿命を縮めてしまいます。
使用時に注意するべき事項について解説します。
1.エコキュート本体の設定
入浴剤を使用する際は、エコキュート本体の機能である『自動配管洗浄』を”入”にしておく必要があります。
自動配管洗浄機能とは、自動で配管を洗浄してくれる便利な機能です。
普段”切”にしている人もいると思いますが、入浴剤使用前に、必ず確認する必要があります。
これはエコキュートの取扱説明書にも記載があるように、推奨商品を使用しても配管は汚れてしまう為、使用後に配管を洗浄する必要があるからです。
2.使用方法を守る
各メーカーの推薦商品は、メーカーごとに決められた条件によってテストを行っています。
合格したテスト内容と異なる使用方法は、故障や不具合を引き起こす要因となります。
その為、推奨品だからと言って規定量より多く入れたり、他の推奨品と混合して使うなど、間違った使い方をしないように注意が必要です。
3.アフターケアを行う(定期的な清掃)
エコキュート本体の自動配管洗浄を「入」にすることは基本条件とし、定期的な配管洗浄が必要です。
一般的な洗浄目安は3カ月から半年に一度が目安と言われていますが、入浴剤を使う場合は間隔を短くし、こまめに清掃することが重要です。
頻繁に入浴剤を使用する場合は1カ月に1度は配管清掃をおすすめします。
アフターケアをすることによって、本体や配管へ入浴剤が蓄積することを防ぎ、リスク回避へとつなげることが出来ます。
毎日できる清掃方法の一例が下記になります。
- 浴槽内フィルターは、出来るだけ毎日洗う。
浴槽内フィルターは簡単に取り外すことが出来ます。フィルターの目詰まりを防ぐためにブラシなどでこするだけで、汚れを落とすことが出来ます。 - 入浴後、浴槽をシャワーで洗い流す。
浴槽をシャワーで洗い流すだけで、配管などの汚れも洗い流すことができます。
4.メーカー推奨配管洗浄剤
エコキュートには自動配管洗浄機能が搭載されていますが、他にも定期的に手動配管洗浄を行う必要があります。
その際に注意しなくてはいけない点は、酸や、アルカリ、硫黄が含まれている洗浄剤を使用しないようにすることです。
酸素を含む洗浄剤には除菌効果があり、汚れ除去へも有効的な洗浄剤ではありますが、長時間放置したり、洗剤が流し切れず配管に残ってしまうとエコキュートの劣化原因に繋がってしまいます。
入浴剤と同様に、メーカー純正品またはメーカー推奨品を使用すれば安心して使用することが出来ます。
パナソニック・三菱・・ダイキン・日立・東芝・コロナ のエコキュート主要メーカーが共通して推奨している市販洗浄剤は「ジョンソン株式会社 ジャバ 一つ穴用」です。
※ジャバは一つ穴用と二つ穴用が販売されていますが、エコキュートで使用できるのは1つ穴用です。
間違えないように注意しましょう。
洗浄剤を使った清掃を行う際は、取扱説明書を確認した上で洗浄を行ってください。
市販の洗浄剤もメーカーや種類が数多くありますが、推奨品の利用を強くおすすめします。
入浴剤の場合もそうですが、推奨品以外を使用したことによる不具合や故障はメーカー保証対象外となってしまうからです。
5.万が一、推奨品以外の入浴剤を使ってしまった場合
万が一、推奨品以外の入浴剤を利用してしまった場合は、すぐに”配管清掃”と”フィルター清掃”を行う必要があります。
理由は、少しでも早く配管やフィルター、エコキュートに付着した入浴剤成分を取り除き、配管に残さない様にする事がもっとも重要となるからです。
※推奨品以外の入浴剤を使ったことによるエコキュートの不具合や故障はメーカーの補償対象外となりますので、特に注意して入浴剤を使用するようにしましょう。
まとめ
エコキュートは入浴剤を使用することが出来ます。
但し、使用するエコキュート本体が入浴剤に対応している型式であることを確認した上で、万が一の時にメーカー保証対象となる為にも『メーカー推奨品の入浴剤』と『メーカー推奨品の洗浄剤』を使用するようにしましょう。
ただし、”バスソルト”はどのメーカーであっても、どの機種も使うことが出来ません。
また、入浴剤を使うときには使用方法を守り、アフターメンテナンスを行う事が重要です。
正しい使い方を理解すれば、エコキュートも入浴剤を使用した、楽しく快適な入浴タイムを過ごすことが出来ます。
まだ濁り湯などは使用できるメーカーが少なく、推奨入浴剤にも限りがあります。
今後に推奨入浴剤の種類が増えることを期待しましょう。