2022年9月5日
【太陽光パネルと蓄電池はセットがいい?】太陽光発電システムと蓄電池

電気の自給自足・自家消費に役立つアイテムとして、今、蓄電池が注目を集めています。太陽光発電とのセットで得られるメリットも多いのですが、システムや費用面で導入に踏み切れていない人もいるのではないでしょうか。
近年では、太陽光パネルの購入費用が下がったことや、蓄電池に対する補助金の交付により、太陽光発電システムの導入とあわせて蓄電池を購入する人が増えています。
この記事では、太陽光パネルと蓄電池それぞれの役割やセット導入のメリット、蓄電池の費用や補助金、太陽光発電と相性の良いおすすめの蓄電池を紹介しています。
太陽光パネルと蓄電池の導入を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
太陽光パネルと蓄電池の役割
太陽光発電が日本に普及してしばらく経ち、今や太陽光パネルは住宅購入や新築の際に備え付けを検討する設備の一つとなっています。また、最近では、光熱費ゼロを目指せる家庭用蓄電池についても注目が集まっています。
蓄電池は、太陽光パネルで発電した電気を蓄え、電気の自給自足に役立てるものです。まずは、それぞれの役割についてみていきましょう。
太陽光パネルの役割
太陽光パネルは、太陽光発電システム発動の元となる電気をつくるための設備です。
太陽光パネルを設置しない場合は、使用する電気は100%買うこととなりますが、設置する場合は電気をつくることができ、さらに家庭で消費できるようになります。
そのため、電気代の節約につながることはご存知の方も多いかと思います。
太陽光パネルで発電した電気はそのまま使うことはできず、家庭で使える電流への変換が必要です。変換されたのち、家電など電気を必要とする機器にそれぞれ振り分けられます。この一連の流れが、太陽光発電システムです。
蓄電池の役割
蓄電池は、名前の通り電気を蓄える役割を持ち、化学反応によって充電と放電を繰り返す「二次電池」と呼ばれるもの、もしくは、太陽光発電システムに備わっている蓄電システムのことを言います。
蓄電池の役割は、余った電気を貯めておくことです。太陽光発電と組み合わせれば、太陽光パネルで発電した電気を貯めて使うことができます。
以前は太陽光発電システムに蓄電システムはありませんでしたが、現在では非常用電源として蓄電容量を備えるようになりました。
蓄電池には「特定負荷型」「全負荷型」の2種類があります。「特定負荷型」は特定の電化製品に電気を供給するもの、「全負荷型」は家全体のコンセントで蓄電した電気を使えるようになるものです。
現在の家庭用蓄電池としては「リチウムイオン蓄電池」が主流となっています。
太陽光パネルと蓄電池を組み合わせる4つのメリット
太陽光パネルと蓄電池を組み合わせることで、経済的・安心・快適な暮らしにつながります。ここでは、太陽光パネルと蓄電池の組み合わせで得られるメリットを紹介します。
メリット①災害時の停電に備えられる
災害時に停電が起こると、スマートフォンの充電はもちろん、テレビやパソコン、冷蔵庫、エアコンなども使用できなくなり、情報や安否の確認もままなりません。
また、停電は1〜2日で復旧しないことも多く、災害の規模によっては何週間も続く可能性があります。
現在は感染症の面でも、人の多い避難所へ行くこともはばかられます。そんな中、自宅でいつものように電気を使えることは多大な安心感につながるでしょう。
メリット②電気自動車の充電にも利用できる
電気自動車が普及してしばらく経ちますが、充電スポットは全国的にもまだまだ多いとは言えません。蓄電池と充電器があれば、家で太陽光パネルを使って発電した電力を充電できます。
また、充電スポットで充電する場合は、基本料金や会員料金など、費用が必要となることがほとんどです。家で発電した電力を充電できれば、経済的にもメリットになります。
メリット③太陽光発電で発電した電気を夜間に使える
通常、太陽光パネルで発電した電気は日中しか使えません。蓄電池があれば、日中に発電した電気を貯めて夜間にも使えます。
日中は消費電力をまかないながら蓄電し、夜間には蓄電池で貯めた電気を使うといった方法で、単価の高い日中の電気の購入を抑えられるのです。
メリット④FIT制度満了後も自家消費で光熱費ゼロを目指せる
再生可能エネルギーの固定価格買取をしてくれるFIT制度は、太陽光発電の設置から10年で期間満了を迎えることがほとんどです。
FIT制度が満了した後は、電力会社により若干の差はありますが、平均買取価格は大きく下がります。売電で収入を得ていた家庭からすると、うまみが少なくなってしまうでしょう。
しかし、蓄電池を組み合わせておけば、自家消費型の太陽光発電システムに切り替えた後、夜間や雨天時に自家消費できます。太陽光パネルと蓄電池を組み合わせることは、FIT満了後の電気代節約にもつながるのです。
蓄電池の導入費用
蓄電池を導入するには、蓄電池そのものの費用と、設置するための工事費用がかかります。
地域や住環境、電気の使用状況によって費用は家庭ごとに大きく異なります。蓄電池の費用は容量や品質によって、設置工事費用は設置場所やスペースなどによって変動します。
おおよその価格相場は、下記のとおりです。
購入費用
(本体価格) |
50〜200万円程度
※容量や機能、メーカーによって異なります |
設置工事費用 | 20〜50万円程度
※住宅環境や設置する製品、業者によって異なります |
※上記の他、保証費用やサポート費用などの諸経費がかかる場合もあります
購入費用と設置工事費用をあわせて、大体100〜300万円と想定しておくと良いでしょう。平均的な家庭の場合ですと、大体140万円前後となります。
太陽光パネルと蓄電池をセットで導入すれば、工事費用は1回で済みます。トータルの費用が安くなるため、セットで導入するのがおすすめです。
蓄電池に関する補助金
蓄電池に関する補助金は「国から交付されるもの」「自治体から交付されるもの」の2つに大きく分けられます。
国からの補助金
2022年現在では、公募による「DER補助金」「ZEH補助金」が実施されています。
それぞれの補助金額は下記のとおりです。
補助金名 | 補助金額 |
DER補助金 | 3.7万円/kWh、または設備・工事費用の1/3
※どちらか低い方を適用 |
ZEH補助金 | 55〜112万円/戸
※住宅により異なる |
※上記は2022年度のものです
DER補助金は、「分散型エネルギーリソースの更なる活用に向けた実証事業」への参加者に向けて出されるものです。補助金を受け取れるのは、実証事業への参加し事業を終えた後となります。
2022年度分はすでに予算枠が上限に達し終了しておりますので、2023年度に利用を検討する場合は、早めに準備しておくことをおすすめします。
ZEH補助金は、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(通称:ZEH)新築時に利用できる補助金です。高性能な省エネを目指せる家であるZEH住宅ですが、補助金額は住宅の性能要件によって異なります。
これらの補助金は、対象となる条件も細かく設けられているため、自分の家庭が対象となっているかをしっかりと確認する必要があります。
自治体からの補助金
自治体から交付される補助金は、まずは自治体のホームページを確認すると良いでしょう。補助金額は自治体によって異なります。また、都道府県単位だけでなく、市区町村単位で補助金を出していることもあります。
しかし、国と比べて予算が非常に少なく設定されているため、公開後わずか数日で受付が終わってしまうことが多いです。検討をしている人は早めに情報をチェックしておくようにしましょう。
太陽光発電と組み合わせるのにおすすめの蓄電池3選
太陽光発電と蓄電池をセットで導入するメリットが理解できても、実際、どのメーカーの蓄電池を選べばいいか迷ってしまいますよね。
多くのメーカーが蓄電池を取り扱っており、また安い買い物でもないため、迷ってしまうのは当然です。失敗しない蓄電池選びのために、太陽光発電と相性抜群の蓄電池を3つ紹介します。
シャープ:クラウド型蓄電池システム
シャープ「クラウド型蓄電池システム」は、長寿命と多機能のHEMS(家庭内で使用している電気機器の使用状況を把握し、電力を最適使用するための仕組み)が魅力です。1日1回の充放電で、長期に渡って電気代の削減が叶います。
対象のシャープ製品だけでなく、他社メーカーのエコキュートと連携ができるなど、家庭の電気使用状況に合わせて最適に管理してくれます。
その他、大容量なのにコンパクトでスペースを取らない点も魅力として挙げられます。
パナソニック:創蓄連携システム
パナソニックの「創蓄連携システム」は、太陽光発電との連携を前提とした蓄電池です。蓄電池とパワーステーションがセットとなっており、太陽光発電で発電する電気を蓄電することに特化した、パナソニック独自のシステムです。
発電した電気は、家庭やライフスタイルによって「環境優先モード」「経済優先モード」「蓄電優先モード」の3パターンの設定から選んで使えます。
停電時は「蓄電優先モード」を使うこととなりますが、創蓄連携システムであれば、パワーコンディショナーでの電気の変換ロスが少なく、家電製品を長い時間利用することが可能になります。
通常時も節電に貢献してくれるため、災害対策のみならず、経済面でも家庭の強い味方になるでしょう。
さらに、蓄電池の充電容量がオーバーしたり容量が少なくなったりした時には、自動でブザーが鳴るような仕組みになっています。自分たちで容量を確認する手間がなく手入れを最小限にしてくれるのも、魅力の一つです。
ニチコン:家庭用蓄電システム
ニチコンの「家庭用蓄電システム」は、その美しく無駄のないデザイン性から、家の外観を損なわずに設置できる点でおすすめです。有名ハウスメーカーでの取り付け事例も多く、業界でも評判の高い蓄電池であると言えるでしょう。
また、保証期間が長いこともメリットです。通常の蓄電池の寿命は約10年と言われていますが、ニチコンの蓄電池には最長15年の保証期間がついています。
長期間使うものですので、保証期間が長いことは家庭にとっても安心できる材料になるでしょう。
ライフスタイルに合った蓄電池を選ぼう
各メーカーから多くの蓄電池が販売されており、それぞれの製品の容量や特徴はさまざまです。そのため、それぞれのライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。
太陽光パネルと組み合わせて使用するのであれば、太陽光発電システムと連携した蓄電池を選ぶ必要がありますし、非常時に家中全てのコンセントに電力を供給したいのであれば「全負荷型」を選ぶ必要があります。
「どの蓄電池を選べばいいか分からない…」という場合は、思い切って業者に相談してみましょう。
太陽光発電と蓄電池をセットで導入するメリットが理解できても、実際、どのメーカーの蓄電池を選べばいいか迷ってしまいますよね。
多くのメーカーが蓄電池を取り扱っており、また安い買い物でもないため、迷ってしまうのは当然です。失敗しない蓄電池選びのために、太陽光発電と相性抜群の蓄電池を3つ紹介します。
まとめ
太陽光パネルと蓄電池を組み合わせることで、停電時の対策や電気自動車の充電の他、効率的に電力の自給自足・自家消費が可能になります。
2050年までにカーボンニュートラルを目指す日本では、今後も住宅用の太陽光パネルや蓄電池の導入が増えていくと考えられます。
まずは仕組みを知り、メリットやデメリットの把握、最適な機器の組み合わせなどを理解することが大切です。