2022年5月10日
【太陽光発電/蓄電池が無料設置】おきでんグループのかりーるーふとは

おきでんグループが展開している「かりーるーふ」は、条件さえあえば住宅に太陽光発電機と蓄電池を無料設置してくれて、しかも月々の電気料金を安くできるサービスです。
現在、沖縄県でも太陽光発電や蓄電池が注目され、需要が高くなってきました。
太陽光発電と蓄電池の説明も併せて、おきでんグループ「かりーるーふ」について解説していきます。
太陽光発電機と蓄電池について解説
「かりーるーふ」の説明を行う前に、まず太陽光発電と蓄電池について説明いたします。
太陽光発電
太陽光発電とは、太陽光を直接電気エネルギーに変換する発電方法です。
太陽光発電で作り出された電気は、発電の際に二酸化炭素を発生させないため、環境にやさしい再生可能エネルギーとして注目されています。
自然災害による停電に備えられ、太陽光を電気に直接変換して利用でき電気料金を削減するなど、私たちの生活に導入すれば大きなメリットが得られます。
ちなみに、総務省統計局e-stadで見る住宅土地統計調査では、沖縄の戸建世帯への太陽光発電導入率は全体の2.9%でした。
しかし、令和3年の総務省統計局の調査では、全体の約5%となっていて導入率は増加傾向にあります。
蓄電池
蓄電池は電力会社から供給される電気や、太陽光発電によって作り出された電気を一時的に蓄えることができる電池です。
近年太陽光発電とセットで導入されることが多くなってきています。
太陽光発電を導入している世帯では、昼間は太陽光発電によって直接作り出される電気で自宅の電気消費をまかないつつ、余った電気を売電します。
夜間は太陽光からの発電ができない為、電力会社から供給される電気でまかなうという流れが一般的でした。
しかし現在では、昼間は太陽光発電を介して直接電気を使いつつ蓄電池へ電気をため込み、夜間は蓄電池の電気と安い夜間電気料による電気供給を行う流れになってきました。
また、太陽光発電で得た電気の売電についての考え方も、売電価格変動により変わってきているようです。
2022年3月25日付の経済産業省HPによれば、2022年度以降の住宅用太陽光発電(規模10kw未満)による売電価格は「17円」で、10年前の平成24年度の売電価格「42円」から半額以下となりました。
売電価格が下がれば収益も下がります。
もはや収益を得るという考え方ができない今、いかに電気代を減らして得するかという考え方にシフトチェンジしてきています。
そこで注目を浴びているのが蓄電池であり、沖縄でも太陽光パネルとセットで取り扱う設置会社が増えてきているのが現状です。
かりーるーふの特徴について解説
「かりーるーふ」は、沖縄電力と電気供給契約を結んでいる世帯に、無料で太陽光パネルと蓄電池を設置するサービスです。
「かりーるーふ」には、3つのメリットがあります。
- 初期設置費用無料で太陽光パネル・蓄電池が利用できる
- 災害時や停電時など、もしもの時に電気が使える
- 太陽光パネルで発電した電気を使い電気代が安くなる
以下で、一つずつ解説します。
①初期設置費用無料で太陽光パネル・蓄電池が利用できる
沖縄電力グループが所有する太陽光発電設備と蓄電池を、無料で提供・設置してくれます。
契約期間は15年間で、年1回のメンテナンスも沖縄電力グループが無料で行います。
メンテナンス費用を請求されることも一切なく、安心して設置し続けることができます。
②災害時や停電時など、もしもの時に電気が使える
もしもの時には、宅内の停電時専用コンセントから太陽光パネルと蓄電池の電気を使うことができます。
停電時専用コンセントは一つしかありませんが、冷蔵庫やテレビ、スマホ充電など、災害時に必要な電気器具に優先して使用することができます。
また、停電が続いても、太陽光や蓄電池の電気を使うことが可能です。
③太陽光パネルで発電した電気を使い電気代が安くなる
かりーるーふは、無償設置した太陽光と蓄電池による電気を世帯が購入する形になります。
よって、基本料金や再エネ賦課金が一切かかりません。
ただし、天候不良などで太陽光発電機+蓄電池による電気供給が足りない場合は、沖縄電力が供給する電気を購入することになります。
かりーるーふ事務局の資料によれば、毎月の電気代が16000円の世帯にかりーるーふを導入したとすると、毎月1000円程安くなる計算になります。
かりーるーふの具体的設置設備について解説
かりーるーふでは太陽光パネルやパワーコンディショナー、蓄電池をはじめ、初期設置費用は全て無料となります。
おきでんグループが初期設置してくれる機器について具体的に解説していきます(2022年3月版かりーるーふ事務局資料より引用)。
かりる―ふの太陽光パネル
・Q.PEAK DUO ML-G9(Qセルズ製)×20枚
・単結晶ハーフカット13セル
・公称最大出力:390W
・耐風圧加重:4000Pa
・大きさ:横1840mm×縦1030mm
・重量:19.5kg
太陽光パネルの解説
「Qセルズ製」の太陽光パネルです。ハンファQセルズは大手太陽電池モジュールメーカーの先駆的メーカーで信頼もあります。
ドイツを研究拠点、中国・マレーシア・韓国を生産拠点とし、高品質・低コストを両立した太陽光パネルを世に送り出しています。
かりるーふのパワーコンディショナー
・パワーステーションS(Panasonic製)
・出力定格電力:5.5kW」
・重量:40kg
・大きさ:横549mm×縦779mm
※停電時の自立運転時データ
・出力定格電圧:AC100V
・出力定格電力:1.5kW
パワーコンディショナーの解説
Panasonic製のパワーコンディショナーで、壁掛け式でありコンパクトな外観となっているのが特徴です。
基礎工事が不要で住宅の外壁に取付できるので、設置スペースが解消される商品となっています。
かりるーふの蓄電池
・リチウムイオン蓄電池ユニット(Panasonic製)
・蓄電容量:5.6kWh
・重量:68kg
・大きさ:横480mm×縦610mm
蓄電池の解説
住宅用創蓄連携システム(単相2線用)でパワーコンディショナーとの連携が可能な機器です。
停電時に使用できる電気機器や時間の目安としては、
①約50W使用の冷蔵庫1台
②約50WのLED証明
③約100Wの液晶テレビ1台
④約7.5Wの携帯電話充電
の4点を最低16時間から最高72時間連続使用可能です。
サービス導入できる?診断申し込み条件をチェック
「かりーるーふ」を自宅へ導入検討されたい方は、以下の診断申し込み条件をクリアすることが必ず必要になります。
ここでは、導入を検討している世帯について、条件が当てはまるかどうかをセルフチェックできます。
診断申し込み条件セルフチェック
✅沖縄本島にお住まいで、かつ戸建て住宅を所有している
✅太陽光パネルや蓄電池など再エネ・畜エネ設備をすでに設置していない
✅屋根のパネル設置可能面積が40㎡以上、蓄電池1㎡の設置面積がある
※屋根の形状によっては40㎡以上であってもサービスを提供できない場合がある
✅所有する戸建て在宅が築35年未満である
✅主契約者が申し込み時点65歳未満である
※ただし、同居している契約者の親族(2親等内に限る)が65歳未満であれば代理人として申し込み可能
✅沖縄電力株式会社と電気需給契約を締結していること、または本サービス契約前に沖縄電力へ変更できている
※他の電気供給会社と契約している世帯は、かりーるーふのサービスを受けることができません。
✅かりーるーふの契約期間は15年であり、サービス内容について、契約者以外の家族理解が得られていること
以上が条件となります。
もし、上記のセルフチェックで全部に該当し、導入を進めたい場合には「かりーるーふ」ホームページから無料診断および申し込み登録が簡単にできます。
契約に至る前に確認しておきたい留意点
かりーるーふは様々なメリットを得られる、お得なサービスとなっていますが、契約前に確認する事項がいくつかあります。
メリットだけにとらわれず、今一度注意すべき事項を確認してから気持ちよく契約できるよう、契約前に留意しておきたい事項について解説します。
1:「かりーるーふ」のサービスを確認しましょう
「かりーるーふ」は太陽光および蓄電池等を無償設置し、契約した沖縄県内の世帯へ「電気」を供給・販売するサービスです。
そのため、太陽光および蓄電池等はおきでんグループの設備となります。
「売電はできないこと」「世帯の所有物とはならないこと」「太陽光発電での電気は有料であること」に留意しましょう。
2:「かりーるーふ」は、沖縄電力と電気供給契約とセットが条件です
他の電気会社と契約締結をした状態では、かりーるーふのサービスを受けることができず、沖縄電力の電気供給契約が必須となります。
ちなみに、現在沖縄県内の電気供給会社には14社の電気供給会社(沖縄ガス、auでんき、ソフトバンクでんき、シン・エナジーなど)があります。
かりーるーふのサービスを受ける15年間は、かりーるーふを解約しない限り、他の沖縄県内電気供給会社とは契約ができないことになります。
3:契約期間は15年です
契約期間は15年です。
パワーコンディショナーの寿命が約15年と言われることから、この期間でのサービス契約であると考えられます。
また、不安視される15年間の契約期間中の設備やメンテナンスについては以下のように手厚く受けられます。
・無料メンテナンスが年1回保証されている
・おきでんグループの所有物であるため、設備不具合などの負担はすべておきでんグループが行う
4:契約満了時はどうなるのかを確認しておきましょう
契約満了前おきでんグループから「契約満了通知のお知らせ」が送付されます。
契約満了の30日前までに契約世帯から解約の申し出がない場合は、さらに2年間同一条件で契約更新されるものとされています。
5:「かりーるーふ」の機器は沖縄電力がメンテナンスしてくれます
初期設備を設置後、蓄電池の操作や改造、設定変更や設置場所の移動はできません。
今後建物の増築等を検討している世帯については、設置前に十分な検討を行った上で設置場所を選択することをお勧めします。
困ったことがある場合は、必ずおきでんグループからのメンテナンスを呼んだり、コールセンターを通して相談しましょう。
手厚く対応してくれます。
6:引っ越しや建物売却があったとしても契約は継続します
契約期間中に別の住居に移転する場合でも、かりーるーふの契約を維持するように務めるものとされています。
また、契約が続いている場合に建物が売却となった場合も同様で、かりーるーふの契約は契約満了を迎えるまで継続します。
7:天変地異による機器故障は解約となります
天変地異による大規模災害(地震・大雨・津波・暴風)により、機器が故障してしまった場合は、「取り換え」ではなく「解約」となります。
この場合は解約金は発生しません。
また、沖縄の台風事情を十分に考慮した設計で施工されている為安心できます。
太陽光パネルの破損により、第3者に損害が加わるなどの万が一に備え、火災保険や任意保険に加入することがおすすめです。
8:契約終了時にはおきでんグループにより設備撤去してくれます
契約期間15年を迎えて契約を終了する場合、沖電グループにより無料で設備撤去されることになります。
契約満了時についての項で説明した通り、満了時の解約手続きをしっかりと行うことで、おきでんグループにより設備の無料撤去サービスを受けることができます。
まとめ
沖縄県で展開されている太陽光と蓄電池無償設置サービス「かりーるーふ」は、条件と留意事項について理解を深めてさえいれば、15年受け続けるサービスとしては大変お得なサービスとなっています。
メリットも多いですが、必要条件や契約後の自由度が制限される部分ももちろん出てきます。
導入の際には各世帯において十分な検討を重ね、契約されることをおすすめいたします。