2022年2月16日
エコキュートの価格帯はどれくらい?おすすめをご紹介

最近、ガソリンや食品など様々な商品の値上げが続いており、節約を意識しているご家庭も多いのではないでしょうか。
今後も各種製品の値上げは続くと予想されており、食費や光熱費、通信費などの見直しの必要性は高まってくるでしょう。
その中で、自然冷媒(CO2)ヒートポンプ給湯機、通称「エコキュート」という言葉を聞く機会が増えてきました。
実はエコキュートは光熱費の削減を実現できる優れモノなのです。
今回はエコキュートに興味はあるけれど「エコキュートの何がよいのかわからない」、「どれくらいの金額なのか知りたい」と思っている方のために、エコキュートのメリット、価格帯やオススメ購入方法をご紹介します。
エコキュートを使うメリットとは?
日本のエネルギー消費量は、2000年代に入ると減少傾向を示しているものの、1973年度から2018年度を比較すると家庭部門では約1.9倍になっています。(図1)
図1:最終エネルギー消費と実質GDPの推移
出典:資源エネルギー庁「エネルギー需給の概要」
https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2020htmL/2-1-1.htmL
家庭のエネルギー消費も1973年度と比較すると増えていますが、家庭内のエネルギー消費で大きな割合を占めているのが「給湯」であることをご存じでしょうか。給湯の家庭内エネルギー消費割合は約3割にものぼり、給湯を省エネ化すれば光熱費の削減につながります。
そこでオススメなのが「エコキュート」です。
エコキュートのメリットは、大きく分けて以下の3つがあります。
光熱費を節約できる
前述の通り、物価は上昇を続けており電気料金も例外ではありません。(図2)
図2:電気料金平均価格の推移
出典:資源エネルギー庁「日本のエネルギー2018 「エネルギーの今を知る10の質問」
https://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphLet/energy2018/htmL/002/
一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センターによると、従来型の給湯機とエコキュートを比較すると、エコキュートはエネルギー消費量を約28%削減することができるとしています。
エコキュートは電気の力だけではなく、空気の熱も利用して給湯するため消費エネルギーを削減することができるのです。
また、電気を使用するときは、主に電気料金が安い夜間電力を利用してお湯を沸かすため、コストを安くすることができます。
三菱電機が公開しているランニングコストの比較によると「4人家族で1日の使用湯量が460Lの家庭の場合、LPガスの給湯器に比べエコキュートでは約74%ものコストダウンが可能な場合もある」としています。
光熱費を節約したいと思っている方には、エコキュートは非常にオススメなアイテムです。
環境にやさしい
近年、温暖化が進みカーボンニュートラルや脱炭素という言葉がよく聞かれるようになりましたが、エコキュートは環境負荷を軽減する働きもあります。
エコキュートに使われている自然冷媒は、従来のフロン系冷媒と違ってオゾン層を破壊しません。
CO2はエネルギーを作るときにも発生します。消費するエネルギーを少なくすればCO2の削減につながるのです。
前述の通り、従来型の給湯機と比較すると、エコキュートはエネルギー消費量を約28%削減することができるので、CO2削減にも貢献できます。
災害時にも役に立つ
日本は地震や台風など自然災害の発生が多い国です。一度災害が起こると、停電や断水が続くことも珍しくありません。
実は、エコキュートは災害発生時にも役に立つのです。
エコキュートは貯湯タンクのお湯を貯めておくので、停電や断水が発生してもタンク内に水が残っていれば非常用水として利用可能です。
災害発生時は水が使えず衛生環境が悪くなることが多いので、エコキュートは心強い備えと言えます。
ただし、飲料水には適さないので、手洗いや清拭用の水として使いましょう。
エコキュートにはどのような種類がある?おすすめは?
一口にエコキュートといってもいろいろな種類があります。ここではエコキュートの種類と特徴を解説します。
フルオートタイプ
ボタンひとつでお湯はり、保温、追い焚きなど、様々な機能を自動で行うタイプで、メーカーによっていろいろなオプションがあります。
フルオートタイプの価格帯は80万~100万円の製品が多く、自動的に追い炊きや足し湯などをしてくれるため、セミオートに比べるとやや電気代が高くなる傾向があります。
セミオートタイプや給湯専用タイプに比べて生産量も多く、エコキュートの主流はフルオートタイプです。
これからエコキュートを検討するのであれば、フルオートタイプがオススメです。
セミオート/エコオート
セミオートタイプはメーカーによってはエコオートタイプと言われたりもします。
セミオートタイプはお湯張りまでは自動で行うことができますが、保温や追い炊きの機能は付いていません。
お湯が冷めた場合は、高温の温水を足し湯することで温めなおす必要があります。高温のお湯と冷めたお湯を混ぜて調整する必要があるので、水の量が増えてしまうというデメリットがあります。常に最適な温度を求める人や、お風呂に長く入りたい人はフルオートタイプがオススメです。
また、セミオートタイプはフルオートタイプに比べると流通量が少ないため、納期に時間がかかる可能性が高いので注意が必要です。
各メーカーともフルオートタイプに比べセミオートタイプの方が安価に設定されているものの、価格は80万~100万円程度で、フルオートタイプと大きな金額の差はありません。フルオートタイプとセミオートタイプで迷う場合は、大きな金額の差がないのでフルオートタイプがオススメです。
給湯専用タイプ
給湯専用タイプは名前の通り給湯の機能しかありません。お湯張りも自動ではありませんので、手動で蛇口を開閉する必要があります。もちろん、追い炊きや足し湯、保温の機能も付いていません。
近年では給湯専用タイプを選択する家庭が少なくなっているので、メーカーのラインナップも少なくなりつつあります。
機能は少ない分価格は安めで、80万~90万円の価格帯の製品が主流です。できるだけ安価なものを使いたい人にオススメのタイプです。
主なエコニュートメーカー
エコキュートはいろいろなメーカーから販売されています。
以下で、各メーカーの特徴を紹介します。
日立
エコキュートのタイプ:フルオートタイプ、給湯専用タイプ
タンク容量:560L、460L、370L
本体価格帯(税込み):770,000円~ 1,270,500円
リモコン価格帯(税込み):49,500円~51,700円
仕向地:寒冷地仕様
特徴:「ナイアガラタフネス」と呼ばれるカルシウムなどの堆積物(スケール)による配管詰まりに強い日立独自の機能が、上位機種に搭載されています。他にも、入浴を検知して追いだきする機能や、配管を通るお湯に紫外線を照射し殺菌しながら循環運転する機能、ファインバブルと呼ばれる微細気泡を発生させる機能を搭載している機種もあります。
日立製エコキュートBHP-FV37TD(運転モード:おまかせ節約)を使った場合、ランニングコストは22,658円/年、都市ガス省エネ高効率給湯器24号タイプ(機器効率95%)は53,935円/年で、最大約58%コスト削減につながると試算しています。
パナソニック
エコキュートのタイプ:フルオートタイプ、セミオートタイプ、給湯専用タイプ
タンク容量:460L、370L
本体価格帯(税込み):761,200円~1,184,700円 ※オープン価格製品あり
リモコン価格帯(税込み):52,800円~56,100円 ※オープン価格製品あり
仕向地:寒冷地仕様、耐塩仕様
特徴:上位機種にはシャワーのリズムを自動で変動させることで節水、省エネを実現する機能が搭載されています。AIを使って人の出入りを自動で検知して保温する機能や、アプリを利用して外出先からエコキュートの操作を行う機能を搭載している機種もあります。フルオート機種は自動配管洗浄ができるので、メンテナンスが容易です。
また、給湯だけでなく、床暖房にもエコキュートを応用しています。
パナソニック製エコキュートHE-JPU37KQS(運転モード:おまかせ節約)を使った場合、ランニングコストは約24,000円/年、都市ガス給湯器は約58,800円/年で約50%のコスト削減につながると試算しています。
コロナ
エコキュートのタイプ:フルオートタイプ、給湯専用タイプ
タンク容量:460L、370L、300L、185L
本体価格帯(税込み):770,000円~ 1,270,500円
リモコン価格帯(税込み):24,200円~71,500円
仕向地:寒冷地仕様、耐塩使用
特徴:種類は少ないものの、小型のタンクがあり一人暮らしや二人家族でも使いやすいエコキュートを製造しています。ES制御というコロナ独自の制御方法で、省エネを実現しています。また、給湯だけでなく、床暖房にもエコキュートを応用しています。
コロナ製エコキュートCHP-HXE37AY4 (運転モード:おまかせ省エネ)を使った場合、ランニングコストは都市ガス給湯器の1/3から1/6になると試算しています。
東芝
エコキュートのタイプ:フルオートタイプ、給湯専用タイプ
タンク容量:560L、460L、370L
本体価格帯(税込み):833,800円~ 1,233,100円
リモコン価格帯(税込み):22,000円~31,900円
仕向地:寒冷地仕様
特徴:お湯張り水路に銀イオン発生ユニットを設置しており、除菌と消臭を行うことが可能です。また、東芝のエコキュートは全て5年補償で、長く安心して使うことができます。さらに有償で保証期間を最長10年まで延長できる点もポイントです。
東芝製エコキュートHWH-B376H (運転モード:おまかせ)を使った場合、年間ランニングコストは都市ガス給湯器の1/2以下になると試算しています。
三菱
エコキュートのタイプ:フルオートタイプ、給湯専用タイプ
タンク容量:550L、460L、430L、370L、300L、200L、180L
本体価格帯(税込み):68,310円~ 1,204,500円
リモコン価格帯(税込み):19,800円~44,000円
仕向地:寒冷地仕様、耐塩仕様(受注生産)
特徴:浴室を温める機能や、マイクロバブルを発生させる機能を搭載した機種もあります。タンクの容量の種類が多く、お湯の必要量に合わせて最適な容量を選択できるのが特徴です。
三菱製エコキュートSRT-P375UB(運転モード:おまかせ省エネ)を使った場合、ランニングコストは29,756円/年、都市ガス給湯器が57,913円/年で約48%のコストダウンにつながると試算しています。
ダイキン
エコキュートのタイプ:フルオートタイプ、セミオートタイプ、給湯専用タイプ
タンク容量:460L、370L
本体価格帯(税込み):814,000円~ 1,265,000円
リモコン価格帯(税込み):19,800円~63,800円
仕向地:寒冷地仕様、耐塩仕様
特徴:ウルトラファインバブルというマイクロバブルより微細な気泡を発生させる機能を搭載した機種があります。
ダイキン製エコキュートEQX37WFVを使った場合、ランニングコストは21,800円/年、ガス給湯器が71,600円/円で約70%のコストダウンにつながると試算しています。
長府製作所
エコキュートのタイプ:フルオートタイプ、セミオートタイプ、給湯専用タイプ
タンク容量:550L、430L、370L、310L
本体価格帯(税込み):68,310円~ 1,204,500円
リモコン価格帯(税込み):19,800円~63,800円
仕向地:寒冷地仕様、耐塩仕様(受注生産)
特徴:おふろの残り湯の熱を最大約40%回収して貯湯タンクに回収することができます。浴そうの熱回収量はリモコンでお湯はりの回数として表示するので、省エネ効果を目で見ることが可能です。
長府製作所製エコキュートEHP-3703BZPS(運転モード:おまかせ(省エネ))を使った場合、都市ガスに比べてランニングコストが月平均約1/4コストダウンにつながると試算しています。
タカラスタンダード
エコキュートのタイプ:フルオートタイプ、セミオートタイプ、給湯専用タイプ
タンク容量:560L、470L、460L、370L、200L、150L
価格帯(税込み):133,650円~ 432,740円 ※コントローラーセット価格
仕向地:寒冷地仕様、耐塩仕様(受注生産)
特徴:他のメーカーに比べて比較的安価な価格帯で販売されています。
タンクの容量の種類が多く、お湯の必要量に合わせて最適な容量を選択できるのが特徴です。
タカラスタンダード製エコキュート370L全自動タイプを使った場合、ランニングコストは26,300円/年、都市ガス給湯器が76,900円/円で約34%のコストで運用可能と試算しています。
※価格はメーカー標準小売り希望価格
※機種によって選択できる機能が異なります。
※ランニングコストはエコキュートの使用状況や設置地域、電気料金の契約状況によって異なります。
エコキュートはどこで購入できる?各おすすめは?
エコキュートの購入先は、いろいろな選択肢があります。それぞれメリット・デメリットがあるのでよく検討して購入先を決定しましょう。
インターネット通販
ショッピングモールサイトやメーカー自社サイトから購入が可能で、様々なメーカーの種類や価格を調べやすくオススメの方法です。エコキュート自体の販売だけでなく、設置工事まで含めて依頼することが可能です。販売している会社の評価や口コミを確認して、信頼のおける販売店から購入しましょう。
家電量販店
店頭の担当者に分からないことを質問できるので、エコキュートについて詳しく知りたい、説明してもらいたい人に向いています。
地元の電気屋
家電量販店と同じく、担当者に説明してもらえることがメリットです。また、家電量販店に比べて工事のスケジュールの融通がききやすい傾向にあります。価格の面ではインターネット通販や家電量販店に比べると、高い傾向があります。
リフォーム業者
リフォーム業者でもエコキュートの取扱いを行っていますが、エコキュート単体の販売、設置に対応していない可能性もあります。単体での販売・設置対応が可能でも費用が割高になる可能性もあるので、家のリフォームを予定している人にオススメの選択肢です。
まとめ
エコキュートは節約、環境負荷の軽減、災害対策もできる魅力的な製品です。様々なメーカーから販売されていますが、各社に特徴があります。オーバースペックの製品を選ぶと無駄なコストがかかってしまいますし、スペックが足りない製品を選んでしまうと快適な生活が送れません。今回の記事を参考にして、自分の家の大きさや家族構成、どのような機能が欲しいかを検討して、自分にあったエコキュートを選んでください。
参考一覧
一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センターエコキュートのメリット
https://www.hptcj.or.jp/individuaL/tabid/151/DefauLt.aspx
三菱電機「エコキュートとは?」
https://www.mitsubishieLectric.co.jp/home/ecocute/introduction/about.htmL
日立「商品ラインアップ一覧」
https://kadenfan.hitachi.co.jp/kyutou/pdf/full.pdf
パナソニック「ラインアップ一覧」
https://sumai.panasonic.jp/hp/topimg/eco_lineup.pdf
コロナ「2021年エコキュート総合カタログ」
東芝「東芝エコキュートESTIAラインアップ」
https://www.toshiba-carrier.co.jp/products/small/eco/pdf/estialineup.pdf
三菱「ラインアップ早見表」
https://www.mitsubishielectric.co.jp/home/ecocute/product/pdf/ecocute-lineup.pdf
ダイキン「家庭用ヒートポンプ給湯機 総合カタログ」
長府製作所「エコキュート(ヒートポンプ式)製品ラインアップ」
https://www.chofu.co.jp/support/data/catalog/water_heater/pdf/p02.pdf
タカラスタンダード「WEBカタログ」