2022年2月18日
京セラ蓄電池の特徴と価格比較|安い価格で買えるタイミングを解説

太陽光発電システムを利用するに当たり、ぜひ合わせて導入したいのが「蓄電池」。蓄電池は充電することで、何度も電力の再利用が可能な電池です。蓄電池はさまざまな企業が家庭用蓄電池を販売しており、京セラもその1つ。これから蓄電池を購入しようと検討している方は、「京セラの蓄電池って安いの?」「どんなスペックがあるんだろう?」と気になるのではないでしょうか。
そこで今回は、京セラ蓄電池の特徴や運転モードを踏まえながら、価格を比較したデータを紹介します。充実した保証内容や安く買うタイミングも、合わせて解説。京セラ蓄電池の購入を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
京セラ蓄電池は住宅での長期使用実績が国内No.1
京セラが国内初の住宅用太陽光発電システムを発売したのは、1993年。現在も稼働中のシステムがあり、長期使用実績は国内No.1を誇ります。また、固定価格買取期間(FIT契約)を終える利用者は、シャープに次いで第2位。京セラの太陽光発電システムや蓄電池を利用する方が、非常に多いことがわかります。
そんな京セラの蓄電池は、材料であるシリコン鋳造から完成までを、社内ですべて作られています。京セラの蓄電池は全行程が自社製造だからこそ、厳しい品質管理を行うことで、高品質の製品を作り続けられているのでしょう。
その品質は世界的にも認められ、長期連続試験で世界で初めて認証されたり、信頼性調査のトップ・パフォーマーを2年連続で唯一認定されたりしています。
【タイプ別】京セラ蓄電池の特徴
京セラ蓄電池には、蓄電池容量や接続方法によって3つのタイプに分かれます。ここでは、タイプ別の特徴を紹介。どの蓄電池がご家庭に適しているか、後述する価格と合わせて比較検討する際の参考にしてみてください。
3つの蓄電池容量が選べるタイプ
3つの蓄電池容量が選べるのが、「Enerezza(エネレッツァ)」と呼ばれる京セラ蓄電池です。具体的には、次のような蓄電池容量があります。
・5.0kWh
・10.0kWh
・15.0kWh
例えば、家族の人数が少なく、それほど多くの蓄電池容量を必要としない場合は、5.0kWh。非常時にある程度電力を供給したい場合は、15.0kWhを選ぶと良いでしょう。
エネレッツァには、「クレイ型リチウムイオン蓄電池」が内臓されています。そのため、製造のコストを大幅に抑えられ、他の蓄電池よりも安い価格で購入可能。蓄電池が特殊な構造で内臓されていることから、寿命が長く、安全性が非常に高くなっています。
さらに、停電時には、あらかじめ設定した非常時兼用コンセントを通して電力を供給。冷蔵庫やスマホの充電など、生活に欠かせない最低限の電力をより長く確保できます。
その他、住空間に溶け込む自然なデザインや見守りサポート機能など、あると嬉しいメリットがたくさんあるタイプです。
12.0kWhの大容量タイプ
京セラ蓄電池の大容量タイプは、家庭用蓄電池の中でも上位に来るほどの容量を誇ります。それにもかかわらず、本体の奥行は30cmほどと薄型で小型なため、設置場所に悩まされません。
また、大容量タイプは大きな出力パワーも魅力的。通常時の定格出力は3.0kwであり、非常時でも2.0kVAも出力できます。
さらに、大容量であれば、停電時も十分な電力を供給できるため、安心して過ごすことができます。日中の停電であれば、太陽光発電システムから充電した電力を供給。夜間の停電であれば、太陽光で蓄えた電力を供給可能です。その供給時間は、合計の使用電力を430Wほどとした場合、「最大23時間」と京セラでは試算しています。
マルチDCリンクタイプ
電気の送電方法には、一定の周期で正負(プラスとマイナス)が変化する「交流」と、正の方向にのみ流れる「直流」があります。このうち、家庭で使用する電気は「交流」。一方。太陽光発電システムで得られる・蓄電池に貯められる電気は「直流」です。
そのため、通常の太陽光発電システムでは、家庭へ供給する間にパワーコンディショナーを介して直流と交流を変換します。しかし、その電気をすぐには使用せずに蓄電池へ貯める場合、再度交流から直流へと変換することが必要。2重の変換により電力のロスが生じ、使える電力が少なくなるデメリットが発生するのです。
しかし、京セラ蓄電池のマルチDCリンクタイプでは蓄電池への直流接続が可能なため、充電時の電力ロスが生じません。より効率的に電力を貯める・使えるタイプになります。
また、マルチDCリンクタイプは、京セラのHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)である「NAVIFitz(ナビフィッツ)」と連動可能。発電状況や機器別の使用電力量などを、アプリからリアルタイムでチェックできます。AIがご家庭の生活パターンや使用電力量を学習し、より適切な充放電や電気購入量などをコントロール。安い価格で電気を使える生活を実現してくれます。
京セラ蓄電池の運転モード
京セラ蓄電池の特徴が分かりましたが、運転モードもタイプによって異なります。そこで今度は、京セラ蓄電池で設定できる運転モードを、3つ見ていきましょう。
グリーンモードとフルグリーンモード
グリーンモードは、電気の価格が高い日中に買電しないように、太陽光発電で作った電気を使用するモード。余剰分は蓄電池に充電し、夕方から夜にかけて使用できます。蓄電池残量が100%のときに限り、余剰電力を売電に回すため、卒FITを迎えた利用者(売電価格が買電価格より安い)にとって非常に効率的なモードです。グリーンモードは、エネレッツァや大容量、マルチDCリンクのいずれにおいても搭載されています。
また、フルグリーンモードは、電力会社からの買電による充電を一切行わない、グリーンモードをさらにパワーアップさせたモード。フルグリーンモードでは、太陽光発電で作った電気の余剰分を日中充電し、夜間の充電は行いません。2021年12月時点でフルグリーンモードが使用できるのは、エネレッツァのみとなっています。
いずれのモードも買電を抑えるため、売電価格が買電価格よりも安い「卒FIT利用者」に特におすすめです。
売電モードと売電押上モード
売電モードは、グリーンモードにも似たモード。日中は価格の高い電気の買電を控え、太陽光発電で作った電気を使用します。そして、夜間は価格の安い電気を買電し、蓄電池に貯めます。売電モードがグリーンモードと唯一異なるのは「余剰分を蓄電池残量に関係なく売電する」という点です。
また、買電押上モードは、売電モードよりもさらに「売電」に特化したモード。日中は蓄電池に貯めた電気を使用し、太陽光発電で作った電気は最大限売電します。
いずれのモードも売電を優先するため、買電価格が売電価格よりも安い利用者にぴったりなモードです。こちらのモードを活用したい方は、エネレッツァの購入を検討してみてはいかがでしょうか。
経済モードと太陽光売電優先モード
経済モードは「売電モード」、太陽光売電優先モードは「売電押上モード」と同じシステムになっています。経済モードは大容量タイプとマルチDCリンクタイプに、太陽光売電優先モードは大容量タイプにのみ搭載。
いずれも、売電・売電押上モードと同様に、買電価格が売電価格よりも安い利用者におすすめです。
京セラ蓄電池の価格比較表
では、実際に京セラの蓄電池を購入するとなると、どのくらいの価格になるのでしょうか。ここでは、京セラ蓄電池の価格を、各スペックとともに比較した表を紹介。
各タイプの価格とスペックは、次のとおりです。
3つの蓄電池容量が選べるタイプ
(エネレッツァ) |
大容量タイプ | マルチDC
リンクタイプ |
|||
EGS-LM0500 | EGS-LM1000 | EGS-LM1500 | EGS-LM1201EGS-LM1201C | EGS-ML0650 | |
価格 | 1,650,000円 | 2,640,000円 | 3,630,000円 | 4,070,000円 | 2,970,000円 |
容量 | 5.0kWh | 10.0kWh | 15.0kWh | 12.0kWh | 6.5kWh |
大きさ | 幅485mm
奥行280mm 高さ562mm |
EGS-LM0500
2台分 |
EGS-LM0500
3台分 |
幅1060mm
奥行300mm 高さ1250mm |
幅452mm
奥行120mm 高さ656mm |
重さ | 約64kg | 226kg | 約52kg | ||
定格
入出力 電力 |
3.0kW
(出力は1.5kW) |
3.0kW
(連係) 2.0kVA (特定負荷) |
2.2kW |
引用:蓄電池容量が選べるタイプ、大容量タイプ、マルチDCリンクタイプ
エネレッツァにおける容量や大きさ、重さなどは基本となる「EGS-LM0500」の2台分・3台分の計算になります。最も安い蓄電池は、エネレッツァの「EGS-LM0500」であり、元も高い蓄電池は大容量タイプの「EGS-LM1201、EGS-LM1201C」。価格が平均的で、蓄電池容量もそこそこあるエネレッツァの「EGS-LM1000」が、最も購入しやすいといえるでしょう。
また、蓄電池を購入する際には、同時に自宅などに設置する「工事費」がかかってきます。工事費は、内容によっては30万円前後かかることも。価格を比較して購入を検討する場合は、工事費も含めて考えるようにしましょう。
京セラ蓄電池の寿命と保証内容
京セラ蓄電池の寿命は、マルチDCリンクタイプで「6,000サイクル」。1回の充放電が1サイクルであるため、マルチDCリンクタイプは1日1回充放電しても「約16年」の寿命があるといわれています。他タイプのサイクル数は明らかにされていませんが、性能の高さを考えると、マルチDCリンクタイプと同等か、それ以上だと考えられます。
それでも、「蓄電池が途中で壊れたら、相当な修理費用がかかるのでは?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。しかし、京セラ蓄電池では、10年・15年保証がついてくるため、いざ不具合が生じても手厚いサポートを受けられます。そこで、京セラ蓄電池を購入後に受けられる保証やアフターサービスをそれぞれ見ていきましょう。
保証
京セラ蓄電池の保証は、「10年保証」と「15年保証」の2つ。10年保証では、火災や落雷、台風などの自然災害による被害について保証されます。
一方、15年保証では機器保証のほか、屋内設置・屋外設置についてサイクル制限なく劣化状態50%以上を保証。ただし、寒冷地の屋外設置は10年保証となります。
エネレッツァについては、独自の保証期間検索サイトがあるため、購入後に適宜確認することも可能です。
アフターサービス
京セラ蓄電池のアフターサービスでは、修理や不明な点について購入元の販売会社へ相談可能。修理を依頼する際は、下記を販売会社へ伝えましょう。
・京セラ蓄電池の購入時期
・型式
・製造番号
・故障の状況(点検コード、故障発生時の時間や天候など)
また、京セラ蓄電池では「補修用性能部品」という、生産終了後にメーカーで保存しておく部品があり、修理の際に活用できます。しかし、その保存期間は「販売後10年」。そのため、京セラ蓄電池に不具合が生じた場合は、なるべく早めに相談すると良いでしょう。
安い価格で買うならいつがいい?
一番安くても、100万円以上はかかってくる蓄電池。そのため、「なるべく安い価格で購入したい」と考える方が多いことでしょう。
実は、蓄電池の普及が急速に進んでいることで、メーカー間の価格競争が激化し、10年前よりも市場価格が下がりつつあります。この流れは今後も強まり、今よりもさらに安い価格で蓄電池を購入できる時代が到来する可能性もあります。
一方で、新型コロナウイルス感染症の流行以降、半導体が世界的に不足しています。これにより、蓄電池を「100%安い価格で買えるようになる」とは言い切れない状況。
以上を踏まえると、京セラ蓄電池を安い価格で購入したい場合は、「買えるときに買っておこう」と考えた方が無難です。購入の際は複数の販売会社の見積もりを取りつつ、リフォームローンや補助金を上手に活用するなどの工夫も必要でしょう。
まとめ
京セラ蓄電池には大きく分けると3つのタイプがあり、電力の使い方や売電・買電の意向によって選択可能。京セラ蓄電池は寿命が長く、保証やアフターサービスも充実しているため、安心して使い続けることができます。
今後、京セラ蓄電池はさらに安い価格で購入できる可能性も出てきます。京セラ蓄電池をなるべく安い価格で購入したい方は、今のうちに情報を整理し、購入を検討していきましょう。