2023年2月18日
太陽光発電の業者の選び方と注意すべきポイントを分かりやすく解説

電気代の高騰や東京都での太陽光発電システムの設置義務化などを受けて、太陽光発電システムへの注目度が高まっています。しかし、太陽光発電システムの施工御者は1万社以上 あり、なかには悪質な業者もいます。
以前に比べれば、悪質な業者でのトラブルの件数は減りましたが、太陽光発電システムは高額な住宅機器なので、より良い業者に依頼したいと考える方もいるかもしれません。
そこで今回は太陽光発電システムの選び方と注意すべきポイントを分かりやすく解説します。太陽光発電システムの設置で過去に合った事例も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
太陽光発電の業者の選び方
太陽光発電システムの業者の選び方は以下の通りです。
- 複数のメーカーの商品を提案する業者を選ぶ
- 施工実績が多い業者を選ぶ
- 保障やアフターサービスが充実している業者を選ぶ
上記の選び方を順番に解説します。
複数のメーカーの商品を提案する業者を選ぶ
太陽光発電システムは国内外の様々なメーカーから商品が販売されており、メーカーごとに特徴が異なります。
例えば、パナソニックは業界トップクラスの発電量を実現しておりますが、1kWあたりの単価は高額な傾向にあります。一方、カナディアンソーラーは低価格ながらも発電性能が高いという特徴があります。
太陽光発電システムの施工業者のなかには、特定のメーカーの商品だけを扱うことでコストを抑えようとしています。
しかし、メーカーごとに発電効率や特徴、パネルの形状などが異なるため、住宅に適していない商品を提案されても意味がありません。
そのため、太陽光発電システムの業者を選ぶときは、複数のメーカーの商品を提案して検討できる業者を選ぶと良いです。
施工実績が多い業者を選ぶ
太陽光発電システムの業者を選ぶ際は、施工実績を確認することも重要です。
住宅によって屋根の形状や面積、周りの環境などは異なります。施工実績が少ない業者は経験値が足りていない可能性があるので、イレギュラーな屋根だった場合に最適な施工が行えません。
そのため、太陽光発電システムの業者を選ぶときは、施工実績が多い業者を選びましょう
保障やアフターサービスが充実している業者を選ぶ
太陽光発電システムのパネルの製品寿命は約25年~30年とされており、長期運用が可能な住宅機器です。
しかし、使用し続けていればパネルが砂ぼこりや強風で汚れたり、破損したりするケースがあります。また、パネルの寿命は長くても、パワーコンディショナーや充電メーターなどの設備の寿命は15年前後のため、定期的なメンテナンスや交換などが必要です。
そのため、太陽光発電システムを設置する場合は、長期のメンテナンスや保証、アフターサービスなどが充実している業者を選ぶと安心できます。
太陽光発電にはトラブルがある
国民生活センターPIO-NETによれば、太陽光発電システムの導入に関するトラブルの相談件数は2022年度で1,134件です。次の表は、過去10年分の相談件数をまとめたものになります。
太陽光発電システムの導入に関する相談件数 | |
2013年 | 4,630件 |
2014年 | 4,267件 |
2015年 | 3,368件 |
2016年 | 2,866件 |
2017年 | 2,925件 |
2018年 | 2,930件 |
2019年 | 2,420件 |
2020年 | 1,259件 |
2021年 | 1,096件 |
2022年 | 1,134件 |
過去の相談件数に比べると減少傾向にありますが、太陽光発電システムの導入ではトラブルがあります。
そのため、太陽光発電システムの業者を選ぶ際は、どのようなトラブルが過去にあり、どのような注意すべきポイントがあるか知っておくことも大事です。
次項より、国民生活センターに寄せられた実際の事例について解説します。
訪問販売で太陽光発電システムを導入してしまった事例
突然自宅を訪問した事業者から太陽光発電システムと蓄電池の購入・設置に関する勧誘を受けて契約した方の事例があります。
上記の方の場合、すぐに契約するつもりはありませんでしたが、「安く契約できるのはあと2件」と説明されてしまい、ほかの業者や相場を比較することもできず、太陽光発電システムと蓄電池の購入と設置で合計約300万円を支払うことになりました。
太陽光発電システムと蓄電池は、機種や設置する環境の状況によって価格は異なりますが、2台購入した場合の相場は250万円前後です。
また、本ケースでは契約をせかされ、ほかの業者で見積もりを取り、検討する機会も無いまま購入しています。
安定して売電収入が得られると説明を受けた事例
事業者から「太陽光発電システムを設置すると電気代が安くなり、余剰電力の売電収入で設置費用を賄うことができる」と説明を受けて契約した方の事例があります。
上記の方の場合、売電収入で設置費用を賄えるので赤字になることはなく、赤字になった場合は太陽光発電システムを撤去すると説明を受けたので契約しました
しかし、実際は売電収入よりもローンの支払い金額が多く、赤字が続いていることから太陽光発電システムの撤去を求めましたが、事業者側から「そのような約束はしていない」と言われて拒絶されました。
確かに、太陽光発電システムを設置すると電気代が安くなり、余剰電力による売電収入を得られます。しかし、太陽光発電システムの売電収入は気象条件や設置条件、電気の使用状況によって変わるため、安定した売電収入を望めるとは断言できません。
太陽光発電システムの取り付け工事がずさんな事例
太陽光発電システムを取り付けたが、工事がずさんだったせいで、雨漏りが発生してしまった方の事例があります。
上記の方の場合、十分な訓練を受けていないスタッフや施工資格を保有していないスタッフが設置工事を行った結果、ソーラーパネル背面の配線がたるんでしまい、ゴミが溜まって雨水の流れが邪魔され、雨漏りが発生しました。
太陽光発電システムは屋根の上に設置する住宅機器のため、施主から見えず、わかりにくいので手抜きが発生しやすいです。そのため、上記以外にも太陽光発電システムの取り付け工事がずさんな事例は多く報告されています。
太陽光発電の業者を選ぶときの注意すべきポイント
太陽光発電システムの業者を選ぶときの注意点は以下の通りです。
- 説明内容に注意する
- 施工実績を確認する
- 業者の保有している資格や保険を確認する
- 複数の業者から見積もりを取る
上記の注意点を順番に解説します。
説明内容に注意する
消費者契約法では事業者が一定の重要な事項について虚偽の情報を提供し、消費者が誤認して契約締結を結ばないように規制されています。
しかし、一部の悪質な業者は太陽光発電システムに関する重要な事項を隠しながら、次のように勧誘することがあります。
- 売電収入だけで初期費用を回収できる
- 補助金の条件を満たしている
- 補助金の期限に間に合う
太陽光発電システムの発電量は天候や設置した場所の環境などに影響を受けるため、常に安定した発電はできません。また、消費電力量が多い家庭では、太陽光発電システムの発電量だけでは賄えないということもあります。
ほかにも、「国の補助金が受けられる」と説明しておきながら、実際は補助金の対象にならない太陽光発電システムを売りつけたり、補助金の申請期限に間に合わなかったりするケースも報告されています。
そのため、太陽光発電システムを購入する業者を選ぶときは、メリットばかりではなく、デメリットや注意点も同時に提示する業者を選ぶようにしましょう。
施工実績を確認する
太陽光発電システムの業者を選ぶときは、施工実績を確認しておくことが重要です。
施工業者によっては公式サイトで過去の施工実績や工事内容、工事を依頼した方の口コミなどを掲載しています。また、SNSやインターネットの掲示板などでは太陽光発電システムの施工業者の口コミ、評価を検索することが可能です。
口コミや評判の良い業者なら安心して依頼できるので、チェックしてみましょう。
業者の保有している資格や保険を確認する
施工実績だけでは不安な方は、施工業者が保有している資格や保険を確認してみましょう。
例えば、一般社団法人太陽光発電協会が認定している「PV施工技術者」は太陽光発電システムの設置に必要とされる基礎的な知識や技術レベルを有している証明となります。
同団体が2017年より設けている「PVマスター技術者」は、改正FIT法に規定されているガイドラインに沿って、住宅や地上設置での太陽光発電システムの設計や施工、保守点検などに必要な知識や技術を習得している証です。
事業者が加入している保険には、リフォーム瑕疵保険(住宅瑕疵担保責任保険)があります。加入している施工業者による施工不良で雨漏りや欠陥が発生した場合は、保険法人に直接請求できます。
資格を取得している、あるいはリフォーム瑕疵保険に加入しているかどうかなどは、公式サイトをチェックするか、施工業者に直接問い合わせてみましょう。
複数の業者から見積もりを取る
太陽光発電システムは高額な住宅機器のため、購入する際は慎重になったほうが良いです。
業者によって扱っている商品やサービス内容、施工技術などが異なるため、違った提案をされる可能性はあります。
そのため、1社だけに相談するのではなく、複数の業者から相見積もりを取り、価格を比較してみましょう。
まとめ
以上が、太陽光発電システムの業者を選ぶ方法と注意すべきポイントの解説になります。太陽光発電システムの業者を選ぶときは、複数のメーカーの商品を提案し、施工実績が多く、保証が充実している業者を選ぶと良いです。
また、太陽光発電システムの業者を選ぶときは、説明内容や施工実績、資格・保険の有無などに注意すると、悪質な業者に依頼せずに済みます。
「エコ未来応援隊」はパナソニックや京セラなどの国内メーカーだけでなく、カナディアンソーラーやQ.CELLSなどの海外メーカーの商品も扱っています。専任アドバイザーが対応し、無料で見積もりを出すので、太陽光発電システムに興味がある方はご相談ください。