2022年11月16日
失敗しないエコキュートの選び方|主要メーカーの特徴もあわせて紹介

エコキュートを導入したい、または買い替えたいと思った場合、どのメーカーの、どの製品を選べば良いのかよく分からないという人も多いのではないでしょうか。
決して安い買い物ではないため、具体的に「長持ちするエコキュートを知りたい」「故障が少ないメーカーを知りたい」といったご相談も多くあります。
しかし、メーカーによって故障のしやすさが大きく変わることはほとんどありませんので、エコキュートは、給湯タイプや容量、メーカーが力を入れているポイントに注目して選ぶのが良いでしょう。
この記事では、エコキュートの選び方について詳しく解説します。
エコキュートの選び方
それでは早速、エコキュートの選び方を紹介していきます。
給湯タイプやタンクの容量で選ぶほか、機能で選ぶなど、いくつかの選ぶポイントがあります。どれも重要な選び方ですが、最も重視したいポイントを絞るとより選びやすくなりますよ。
給湯タイプで選ぶ
エコキュートには「フルオートタイプ」「オート・セミオートタイプ」「給湯専用タイプ」の3種類の給湯タイプがあります。
それぞれ使用できる機能が異なるため、目的に合わせて選ぶことが大切です。
それぞれのタイプの概要は下記のとおりです。
フルオートタイプ | ボタン一つで保温・足し湯まで全てお任せする全自動タイプ |
オート・セミオートタイプ | 設定した湯量と湯温でお湯を張るタイプ。保温や追い焚きはなし |
給湯専用タイプ | 蛇口から浴槽に給湯するタイプ |
タンクの容量で選ぶ
湯切れを起こさないためには、使用人数や使用量に合ったタンクの容量を選ぶことが大切です。
お湯を貯めておく性質上、タンクにはある程度の容量が必要です。使用する人数とお湯の使用量を目安にし、必要な容量を選ばなければいけません。
もし今後使用人数が増える可能性がある場合や、日頃からシャワーを使う回数が多い場合は、目安とする容量よりも大きい容量を選ぶのがおすすめです。
主な使用人数によるタンク容量の目安は下記のとおりです。
使用人数 | タンク容量 |
1〜2人 | 185L |
2〜3人 | 300L |
3〜4人 | 370L |
4〜5人 | 460L |
5〜7人 | 550L |
使用人数が4人であっても、お湯を使う量が多い場合には、ゆとりを持たせて460Lを選ぶのが良いでしょう。
エコキュートはお湯の使用状況を学習し量を調節してくれるため、容量が大きいものを使用しても、必要な分だけのお湯を沸かしてくれます。
機能で選ぶ
エコキュートは給湯タイプによって3つに分けられますが、それぞれ使える機能が異なります。
それぞれのタイプに搭載されている主な機能は下記のとおりです。
お湯張り | 保温 | 足湯 | 追い焚き | 暖房機能 | |
フルオートタイプ | ◎ (自動) |
◎ (自動) |
◎ (自動) |
○ | × |
オート・セミオートタイプ | ◎ (自動) |
× | ○ (手動) |
× | × |
給湯専用タイプ | ○ (手動) |
× | ○ (手動) |
× | × |
これらの機能をもとに、エコキュートを選ぶのも一つの方法です。
設置場所で選ぶ
エコキュートには「角型(標準型)タイプ」「省スペース(薄型)タイプ」「コンパクトタイプ」といった3つのタイプがあります。
最もベーシックなものは「角型タイプ」で、各メーカーからさまざまな商品が展開されています。
角型タイプの設置が難しい場所への設置を想定して作られたのが「省スペースタイプ」です。薄型でスリムですが、角型タイプと比べると商品の選択肢が少なくなります。
「コンパクトタイプ」は貯湯タンクの容量を少なくし、全体的に小さくコンパクトです。マンションなどの集合住宅に設置されることが多いです。
このように、設置する場所によって形状を考慮する必要があります。
地域に合ったタイプを選ぶ
エコキュートは、設置する地域の最低気温を基準に「一般地」「寒冷地」2種類の仕様から選びます。
また、空に海に近い地域の場合には、潮風やサビに強い「耐塩害」仕様のものを選びます。
標準的なエコキュートは、外気温-10℃〜90℃でお湯を作れます。最低気温が-10℃までの地域であれば、一般地仕様のものを使用できますが、-25℃までの地域では、寒冷地用の使用が必要です。
-25℃を下回る地域では、エコキュートは使用できません。
また、設置する場所から海岸までの距離が約300m〜1km以内であれば耐塩害仕様を、距離が300m以内であれば耐重塩害仕様のものを選ぶようにします。
設置する地域の環境に合わせ、しっかりと効果を発揮する機種を選ぶようにしてくださいね。
【参考】エコキュート6大メーカーの特徴
ここからは、エコキュートを販売している6大メーカーを比較してみます。それぞれのエコキュートの特徴や代表的な機能を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
パナソニック
パナソニックのエコキュートは、独自機能を多く搭載している点が特徴です。さすが、国内シェアNo.1といったところでしょう。
代表的なものとしては、以下の機能が便利であるとされています。
- 温浴セレクト機能
3つの湯温から選択できる「温浴セレクト機能」が搭載されています。モードはあつめ・ふつう・ぬるめの3つで、それぞれのモードをタイマーで設定することも可能です。「あつめで5分」など、家族一人一人が快適に感じられる湯温で入浴できます。
- さまざまな省エネ機能
代表的なものでは「AIエコナビ」「リズムeシャワープラス」「ぬくもりチャージ」などの省エネ機能が挙げられます。エネルギー効率に優れており、家計の負担軽減にも一役買うでしょう。
- HOME loT
「HOME loT」は、スマートフォンを利用して遠隔で湯張りや追い焚きなどの操作ができる機能です。帰宅途中にスマートフォンを使って湯張りの設定をしておけば、帰宅後すぐに入浴できますね。
三菱電機
三菱電機のエコキュートは近年ユーザーが増加しており、特に新築のご家庭で多く採用されています。
特に優秀な機能は、下記の3つです。
- キラリユキープ
入浴時から残り湯の利用時まで、お湯を清潔に保つ機能です。配管を通るお湯に深紫外線(紫外線の中でも波長が短く、水や空気を殺菌する能力が認められているもの)を照射し、匂いと濁りを抑制します。
- バブルおそうじ機能
入浴後に栓を抜くと、配管や熱交換機内の洗浄を自動でスタートしてくれる機能です。約0.1mmのマイクロバブルが、配管内に付着した汚れを洗い流してくれます。
- ホットあわー
「ホットあわー」は、微細な泡を発生させる泡入浴機能です。ボタンを押すと約1/1000のマイクロバブルが発生し、全身を細かい泡で包んでくれます。通常の入浴に比べて湯冷めしにくく、肌水分量がアップしうるおいが持続する効果が期待できます。冬の乾燥する時期には特に嬉しい機能の一つでしょう。
ダイキン工業
主に空調リーディングカンパニーとして信頼の厚いメーカーです。エコキュートの製品に関しては、長く使え、非常時に対応できる製品づくりにこだわっています。
特におすすめの機能は下記の3つです。
- 高品質な貯湯ユニットと交換できるヒートポンプ
貯湯ユニットには高品質なステンレス素材を採用しており、耐久性が高いのが特徴です。また、万が一ヒートポンプが故障した場合には、貯湯ユニットはそのままで、ヒートポンプのみを交換して利用できます。
- 耐震性のある構造
貯湯ユニットは高さがあるため、地震の際は転倒のおそれがあります。ダイキンの貯湯ユニットは、転倒防止のために金具やカバーを設置し耐震性能が強化されているのが特徴です。
- パワフル高圧
高圧給湯の約1.9倍のパワフルさで、快適なシャワー圧とスピーディーな湯張りを実現しています。
日立
さまざまな生活家電を展開する日立は、エコキュートも人気です。独自の技術が駆使されてた、便利な機能が搭載されています。
日立の特徴は下記の3つです。
- 3つの給湯方式
日立のエコキュートは、水道から直接給湯を行う「水道直圧給湯方式」を採用しており、そのまま飲用できる給湯が実現されています。この方式によって、全て水道直圧で給湯する「ナイアガラ タフネス」、湯張りはタンク、シャワーは水道直圧で給湯する「ナイアガラ出湯」、全てタンクから給湯する「減圧弁方式」の3つの方法が可能になっています。
- ウレタンク
貯湯タンクの周囲にウレタンフォーム断熱材を使い、お湯を冷めにくくしています。タンクの保温性が気になる人にとって、非常に嬉しい機能であるといえるでしょう。
- 高速湯張りと快泡浴
「高速湯張りモード」を使えば、短い時間で湯張りができます。また、湯張りの後に「快泡浴」ボタンを押すことで、気泡浴を楽しめます。気泡浴は心地良さが増すだけでなく、湯冷めしにくいといった効果も期待できます。
東芝
東芝は、ヒートポンプ技術を活かし、使いやすいエコキュートを開発しています。
東芝こだわりの特徴は、下記の3つです。
- 光タッチリモコン
東芝のリモコンは、パネルを2色から選べるほか、フルフラットなデザインで手入れもしやすく、美しさと使いやすさを兼ね備えているのが特徴です。パネルを白か黒かどちらかから選べるのは、インテリアにこだわるご家庭にとっても嬉しい特徴の一つでしょう。
- 銀イオンの湯
東芝のエコキュートは、湯張り時の水路に銀イオン発生ユニットを設置しています。銀イオンには、湯内の細菌増殖を防ぐ効果があります。残り湯の匂いなども抑えられ、快適な入浴ライフを楽しめるでしょう。
- 安心の5年保証
東芝が展開する「ESTIA」シリーズは全て5年保証となっており、安心して使用できます。さまざまな技術を駆使し、故障の少ない製品作りにこだわる東芝ですので、長期間の保証をつけているのも納得ですね。
コロナ
コロナは、家庭用エコキュートを世の中に送り出した第一号メーカーです。 快適に使える機能やデザイン性など、総合的にバランスの取れた製品を展開しています。
コロナの特徴は下記の3つです。
- 独自のES制御機能
「ES制御」とはエネルギーセーブ制御のことで、お湯を作る・貯める・使うの3つの効率を実現する機能です。この機能のおかげで効率よくお湯を使え、省エネにつながります。
- パワフル給湯&リモコン機能
コロナが展開する「プレミアムエコキュート」は、給湯圧力が非常にパワフルである点が特徴です。浴室が2階以上にあってもほどよい圧力でシャワーを使え、湯張りも短時間でできます。また、リモコンにハンズフリー通話機能やデカ文字モードが搭載されている点も特徴です。
- シンプルなデザイン
スタイリッシュでデザイン性に優れており、家の外観を損なわない見た目が人気です。エコキュートはサイズが大きくどうしても目に入ってしまうため、家の外観にこだわりたいご家庭にとって、シンプルでスタイリッシュなデザインは嬉しい特徴の一つでしょう。
まとめ
エコキュートの選び方と、主要6大メーカーの主な特徴について解説しました。
エコキュートは決して安い買い物ではないため、選ぶのに苦労するご家庭もあるでしょう。
家庭に合った機種が分からない、どのポイントを重視すればいいのかなど、買い替えや新規導入でエコキュートの選び方にお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。