2022年11月9日
家庭用蓄電池とは?後悔しない選び方とおすすめ蓄電池を紹介

「災害で停電したときに備えて非常用電源を購入したい」
「太陽光発電と連携して電気代を節約したい」
このような理由から注目を集めている製品のひとつが、家庭用蓄電池です。
家庭用蓄電池があると非常時の対策としてはもちろんのこと、電気代節約にも役立ちます。
この記事では、家庭用蓄電池の特徴やメリット・デメリット・選び方、おすすめの製品についてご紹介します。
ご家庭に合った蓄電池の選び方を知り、導入検討の際に役立ててくださいね!
家庭用蓄電池とは?
蓄電池は、充電して電池を貯めておくことができ、必要に応じて電気を家庭に供給できる二次電池・バッテリーです。
家庭用蓄電池は蓄電池の中でも小型のもので、設置タイプやポータブルタイプ、太陽光発電と連携できるタイプがあります。
蓄電方法は、下記の2通りです。
- 電力会社に料金を支払って得た電気を貯める
- 太陽光発電で発電した電気を貯める
家庭用蓄電池には主にリチウムイオン電池が使用されています。
リチウムイオン電池は、スマホのバッテリーにも使用されている電池です。
小さいサイズにも関わらず充電性能が優れており、一段と長持ちするのが特徴です。
家庭用蓄電池を導入するメリット・デメリット
家庭用蓄電池は家庭に1つあると非常に便利な製品です。
家庭用蓄電池を導入する前に、メリット・デメリットを確認しておきましょう。
メリット
家庭用蓄電池のメリットは、以下3つです。
- 電気代を節約できる
- 停電時に電気が使える
- 電気自動車と相性が良い
3つのメリットを詳しく解説していきます。
電気代を節約できる
家庭用蓄電池を導入すると、電気代の節約につながります。
電気代が節約できる方法は、以下の2つ。
- 電気代が安い夜間に電気を貯めて、貯めた電気を昼に使用する
- 太陽光発電システムによって貯めた電気を使用する
とくに太陽光発電を設置していて卒FITを迎える方は、蓄電池に貯めて家庭内で使用するのも選択肢のひとつです。
蓄電池があれば発電できない夜間に電気が使えて、電気代の節約になります。
停電時に電気が使える
緊急時の非常用電源としても、蓄電池は便利です。
災害により停電しても、家庭用蓄電池に電気を貯めておけばいつも通りに電気を使用できます。
とくに太陽光発電を設置している方は、日中に発電した電気を蓄電池に貯められるので何日も停電が続いたとしても、しばらくいつも通りの生活を続けられるでしょう。
電気自動車と相性が良い
家庭用蓄電池は、電気自動車の充電にも使用できます。
トライブリット蓄電システムとは、EV(電気自動車)と蓄電池、太陽光発電の3つをひとつにまとめた蓄電システムのこと。
パワーコンディショナを1つに集約することで、3つの機器を生活リズムや電気の使用量に合わせて賢く連携できます。
具体的には、トライブリット蓄電システムがあれば、太陽光発電でつくった電気を蓄電池に貯めて、電気自動車に充電できるのです。
家庭用蓄電池を導入することで、100%エコな自動車になるだけでなく、電気代の節約にもなります。
デメリット
家庭用蓄電池のデメリットは、以下の2つです。
- 寿命がある
- 初期費用が高い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
寿命がある
家庭用蓄電池の寿命は10〜15年ほどです。
蓄電池の内部では使用するたびに化学反応が繰り返されていて、少しずつ劣化していきます。
寿命が来るたびに買い替える必要があり、費用もかかることを頭に入れておきましょう。
価格が高い
家庭用蓄電池の本体価格は50〜150万円ほど、さらに設置費用に20〜30万円ほどかかります。
簡単に出せる金額ではないので、本当に導入すべきか迷いますよね。
ただし、蓄電池の導入には国や自治体の補助金制度を利用できます。
家庭用蓄電池の導入を考えている方は、お住まいの自治体に補助金制度がないか確認してみましょう。
補助金制度を実施している自治体は、下記ページにまとめておりますのでご確認ください。
【合わせて読みたい】家庭用蓄電池の設置価格の相場は?後悔せずに安く買う方法|おすすめ6商品
家庭用蓄電池の後悔しない選び方
家庭用蓄電池を購入した方の中には「停電時に貯めていた電気がすぐになくなった」などと、後悔している方がいるようです。
これから導入する方は後悔することないように、家庭用蓄電池の選び方を確認しておきましょう。
目的に応じて容量を選ぶ
家庭用蓄電池を導入する目的は、以下の2つ。
- 災害時の備えのため
- 発電した電気を自家消費するため
災害時の備えとして導入する場合は、停電時に使いたい電化製品の量や使用する部屋を決めておきましょう。
製品によって、停電時に一部の部屋でしか電気を使用できない蓄電池や、家中で電気を使用できる蓄電池があります。
また、発電した電気を自家消費したい場合は、太陽光発電と連携できる蓄電池や最大出力が大きい蓄電池を選びましょう。
停電時の電気の使い方で選ぶ
停電時に使用する電化製品の量によって、家庭用蓄電池の適切な容量を把握できます。
まずは、最低限の家電が動けばいい場合を見てみましょう。
- 冷蔵庫:40W
- スマホの充電:10W
- Wi-Fiルーター:10W
- リビングの照明:30W
- テレビ:60W
上記を1時間使用すると150Wの消費量です。
つまり、4.0kWhあれば、約26時間は停電していても電気を使用できます。
次は、普段と変わらない量の電気を使用したい場合を見ていきましょう。
- 冷蔵庫:40W
- スマホの充電:10W
- Wi-Fiルーター:10W
- リビングの照明:30W
- テレビ:60W
- エアコン:500W
- IH調理器:1,400W
上記を1時間使用すると2,050Wの消費量です。
つまり、4.0kWhあれば、約2時間は停電していても電気を使用できる計算になります。
停電していてもいつも通りに生活したい方は、大容量な家庭用蓄電池を選びましょう。
太陽光発電システムの容量で決める
太陽光パネルの容量と自家消費する量から家庭用蓄電池の容量を選ぶこともできます。
天候や設置状況によって変わりますが、太陽光発電の1日の発電量は太陽光パネルの容量に3をかけた数値です。
つまり、6.0kWhの太陽光パネルを設置している場合は、18kWhの発電量になります。
太陽光パネルで発電した電気のうち自家消費するのは約30%といわれていて、残りは売電しています。
したがって、5.4kWhは家庭で電気を使用し、残りの約12kWhが売電している電気量です。
以上から12.0kWhの容量の家庭用蓄電池が、最適といえます。
家庭用蓄電池の人気メーカーとおすすめ製品5選
家庭用蓄電池の人気メーカーとおすすめの蓄電池5つをご紹介します。
それぞれの特徴や容量を比較して、ご家庭にあった家庭用蓄電池を選びましょう。
テスラ
電気自動車メーカーのテスラは、家庭用蓄電池も販売しています。
持ち前のバッテリー技術を応用して作った家庭用蓄電池が、パワーウォールです。
パワーウォールの特徴は、以下の3つです。
- 圧倒的な低価格
- 一般的な容量の2倍と大容量
- 全負荷型の家庭用蓄電池
テスラのパワーウォールは他のメーカーの蓄電池と比較すると、圧倒的な低価格です。
13.5kWhと一般的な家庭用蓄電池の2倍の容量がありながら、工事費を含むkWh単価は約12万円です。
一般的なkWh単価が15万〜21万円であることを考えると、かなり安いことがわかります。
また、パワーウォールは全負荷型の蓄電池で、家の中すべての電源に使用できるタイプです。
ニチコン
ニチコンは、家庭用蓄電池システムの国内累計販売台数No. 1の実績を誇るメーカーです。
ニチコンの家庭用蓄電池は、容量や蓄電方式によってさまざまな製品が販売されています。
今回おすすめするのは、家庭用最大級の蓄電容量を誇る「ESS-U4X1」です。
「ESS-U4X1」の特徴は、以下の3つです。
- 家庭用蓄電池最大級の容量
- 全負荷型の蓄電システム
- AIシステムと連携して最適に運転
家庭用蓄電池としては最大級の16.6kWhと大容量なので、万が一停電しても家電を長時間使用できます。
また、全負荷型の蓄電システムなので、停電してもいつも通りに電気を使えて安心です。
AIシステムと連携して自動で貯める電力量を調整するため、常に効率の良い蓄電が行えます。
シャープ
シャープは、太陽光発電の分野でトップクラスのシェアを誇るメーカーです。
シャープが販売する家庭用蓄電池の中でも、今回紹介するのは全負荷型クラウド蓄電池の「JH-WB1821」。
「JH-WB1821」の特徴は、以下の3つです。
- 2.5時間でフル充電可能
- 全負荷型の蓄電システム
- クラウド連携による経済的な運転
シャープのクラウド蓄電池は充放電電力が最大4.0kWもあり、2.5時間でフル充電できます。
停電中でも太陽光発電でつくった電気を使用できるため、冷蔵庫やテレビなどを使用しながらも蓄電池に電気を蓄えられます。
また、インターネット接続できるリモコン(HEMS)を使用すると、天気予報と連動させられて、その日の天気に応じて効率よく運転するため経済的です。
京セラ
京セラは、東日本大震災をきっかけに蓄電池の分野でニチコンと連携した大手メーカーです。
京セラの家庭用蓄電池には、小型スタンダードタイプや大容量タイプ、マルチDCリンクタイプの3種類があります。
なかでも人気の商品は、2020年に販売開始された「Enerezza(エネレッツァ)」です。
エネレッツァの特徴は、以下の3つです。
- 世界初のクレイ型リチウムイオン蓄電池を使用
- 蓄電容量を選べる
- 単機能型の蓄電池
クレイ型リチウムイオン蓄電池とは、粘土状の電解液を用いた蓄電池です。
従来の製品よりも部品コストを20〜40%カットし、トータルコストを抑えることに成功しています。
また、容量は1台5kWhで最大3台まで接続できて、必要に応じて蓄電容量を変えられるのがメリットです。
ただし、単機能型の蓄電池で停電時の出力が2.0kWに下がるため、普段通りに電化製品を使用するのは難しいでしょう。
パナソニック
パナソニックは、国内蓄電池メーカーの中でも早くから蓄電池開発に取り組んでいたメーカーです。
パナソニックの蓄電池も豊富なラインナップがありますが、一番の強みは「創蓄連携システム」です。
創蓄連携システムの特徴は、以下の3つです。
- 太陽光発電と蓄電池のパワコンを一体化
- 蓄電容量は2種類から選択可能
- 停電時も太陽光発電の電気を無駄なく使用可能
太陽光発電と蓄電池を連携するには、本来は2台のパワーコンディショナーが必要でした。
ところが、一本化したパワーステーションを使用することで1台で連携できるようになりました。
容量は5.6kWhと11.2kWhの2種類あるため、ご家庭の使用量や目的に応じて選択できます。
通常であれば、停電中に太陽光発電システムで使用できる電気の出力は1.5kWに制限されますが、創蓄連携システムは出力が制限されません。
そのため、停電中も太陽光発電でつくった電気を無駄なく充電できます。
まとめ
家庭用蓄電池のメリット・デメリットや選び方、おすすめ製品をご紹介しました。
蓄電池は価格が高いことがネックになりがちですが、補助金を活用することで通常の価格よりも安く導入できます。
また、太陽光発電を設置している場合は、効率よく電気代を節約できるため非常に便利です。
電気代を節約したい方や災害時に備えて非常用電源を準備しておきたい方は、家庭用蓄電池の導入を検討してくださいね。
家庭用蓄電池を購入するにあたり、ご家庭に合う製品や価格を知りたい方はお気軽にご相談ください。