2022年9月20日
村田製作所の家庭用蓄電池の特徴を解説!メリットやオススメできる人は?

ロボット開発などで国内トップクラスの技術を誇る、電子機器メーカー「村田製作所」。
電子部品の独自開発・生産技術を活かした村田製作所の家庭用蓄電池には、どんな特徴やメリットがあるのでしょうか。
本記事では、村田製作所の家庭用蓄電池の特徴やメリットについて解説しています。
節電効果や相場コストについても紹介しておりますので、村田製作所の家庭用蓄電池の導入を検討している方は、是非ご参考ください。
村田製作所の家庭用蓄電池の性能・特徴
まずは、村田製作所が販売している家庭用蓄電池の性能や特徴を見ていきましょう。
村田製作所の家庭用蓄電池「All-in-one蓄電池システム」を、容量・仕様ごとに表にまとめました。
タイプ | ハイブリット | ハイブリット | 増設ユニット |
蓄電容量 | 2.3kWh | 3.5kWh | ‐ |
サイクル数(寿命) | 12,000 | 12,000 | 12,000 |
停電対応 | 特定負荷 | 特定負荷 | ‐ |
停電時出力 | 2.0kWh | 2.0kWh | ‐ |
HEMS機能 | あり | あり | ‐ |
サイズ | 697×792×325.5㎜ | 711×73×324㎜ | ‐ |
重さ | 75kg | 88kg | 72kg |
設置可能場所 | 屋外 | 屋外 | 屋外 |
保証 | 15年 | 15年 | 15年 |
村田製作所の家庭用蓄電池の特徴は、次の3点になります。
- 太陽光発電システムで発電した余剰電力を売電できる
- 蓄電池の活用によって買電量を節約できる
- 非常時に特定の電力を使える
村田製作所の家庭用蓄電池は、特定負荷の「ハイブリット型蓄電池」です。
ハイブリット型蓄電池は、蓄電池と太陽光発電を1台のパワーコンディショナーで共有できるため、太陽光発電システムと合わせて設置すると、より節電効果を得られます。
村田製作所の蓄電池容量は「2.3kWh」と「3.5kWh」とコンパクトサイズですが、天気予報や気象警報連動機能を付帯しているため、効率の良い電力運用が可能です。
さらに村田製作所ならではの特徴として、増設用蓄電池ユニットを組み合わせれば、後から蓄電池の容量を増やすことができます。
HEMS機能に対応しており、タブレットやPCから、天気情報・発電電力量・系統電力使用量・蓄電電力・これまでの経済効果を確認できる点も特徴のひとつです。
4つのメリット
村田製作所の家庭用蓄電池「All-in-one蓄電池システム」のメリットは、主に次の4つです。
- 安全性の高い15年保証
- 1日2サイクルに対応
- 蓄電池容量が豊富
- 補助金の対象になる
1つずつ詳しくご紹介します。
安全性の高い15年保証
村田製作所の家庭用蓄電池のメーカー保証期間は15年です。
家庭用蓄電池の保証期間を10年に設定しているメーカーも多いため、他の製品より安心して長く使い続けられる点は大きなメリットでしょう。
村田製作所では、高純度の材料を使って、日本国内で製造・製品組み立てを行うことで、蓄電池の長寿命と安全性を実現しています。
村田製作所の家庭用蓄電池に搭載されている電池は、リチウムイオン蓄電池の中でも、特に安全性の高い「オリビン型リン酸鉄リチウムイオン電池FORTELION※」です。
※FORTELIONは株式会社村田製作所の商標
一般的な家庭用蓄電池の寿命は6,000〜8,000サイクルなのに対し、村田製作所の家庭用蓄電池は10,000〜14,000サイクルと長寿命になっています。
15年の長期メーカー保証期間にくわえ、定格容量(蓄電池の充電可能容量)に対しても、手厚く保証している点もメリットのひとつです。
蓄電池は経年劣化によって少しずつ充電できる量が減少しますが、村田製作所では、定格容量が60%を下回った場合、蓄電池本体を無償で交換するサービスを行っています。
1日2サイクルに対応
村田製作所の家庭用蓄電池は、1日2サイクルの充放電が可能です。
蓄電容量3.5kWhの場合、1日に2サイクル充放電することで、蓄電容量7.0kWhと同等の発電効果を期待できます。
1サイクル目では、深夜帯に充電を行って朝方に放電、2サイクル目では、昼間に太陽光発電による電力を充電し、夜間に放電を行います。
電気代の安い深夜帯に充電した電力を昼間に自家消費しきっても、昼間は太陽光発電による電力を再度充電するため、買電する電力量を抑えられる仕組みです。
村田製作所の家庭用蓄電池の4つの運転コースのうち、2サイクルに対応しているのは「自動運転コース【AUTO】」「夜間優先充電コース【ECO】」になります。
蓄電池容量が豊富
村田製作所の家庭用蓄電池「All-in-one蓄電池システム」は、蓄電池の容量を後から増やすことができます。
家庭用蓄電池は容量が大きいほど本体価格は高くなるため、工事費やサポート費を合わせると、初期設置費は高額になりやすいです。
ご家庭によっては、初期費用を抑えるために必要最低限の小容量を購入される場合も多いですが、連続使用できる時間が短く、後から不満が出てくるケースもあります。
村田製作所の家庭用蓄電池は、必要に応じて「HVDC蓄電池ユニット(容量3.5kWh)」を後から増設できるため、ご家庭の利用用途に合わせて容量を増やすことが可能です。
補助金の対象になる
村田製作所の家庭用蓄電池「All-in-one蓄電池システム」は「一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)」に登録された、補助金対象商品です。
家庭用蓄電池の補助金は、自治体によっても内容が異なりますので、各自治体へ問い合わせるか、販売店の担当者へ詳細を確認しましょう。
デメリット
村田製作所の家庭用蓄電池には、多くのメリットがある一方で、注意しておきたいデメリットもいくつかあります。
200V電源に対応していない
村田製作所の家庭用蓄電池「All-in-one蓄電池システム」は、200V電源に対応していないため、200V電源を必要とするエアコン・IHクッキングヒーター・エコキュートなどへ接続できません。
200V電源を必要とするエアコン・IHクッキングヒーター・エコキュートなどの場合、停電時に使用できなくなるため、特にオール電化のご家庭にとってはデメリットとなるでしょう。
停電時には必要最低限の家電だけ使えれば十分という方は、問題なく使用できます。
停電時に使用できる家電が限られている
村田製作所の家庭用蓄電池「All-in-one蓄電池システム」は、特定負荷型の蓄電池です。
特定負荷型の蓄電池は、停電時に、ご家庭すべての電気ではなく、使用できる部屋や家電が限定されます。
1回の充電で同時に使用できる電力の目安は、次の表をご参考ください。
LED照明(40W) | 約12時間 |
40型のテレビ(100W) | 約8時間 |
300Lの冷蔵庫(30W) | 約24時間 |
スマホの充電 | 約4回 |
扇風機(22WW) | 約6時間 |
停電時は、復旧までの時間予測がつきづらい場合も多いため、計画的に電力を使うことが大切です。
4つの運転コース
村田製作所の家庭用蓄電池「All-in-one蓄電池システム」は、太陽光発電システムで発電した電力を、無駄なく運用するための4つの運転コースがあります。
- 自動運転コース【AUTO】
- 夜間充電優先コース【ECO】
- 自家消費優先コース【GREEN】
- 備蓄優先コース【STORE】
1コースずつ、詳しくご紹介します。
自動運転コース【AUTO】
経済性を優先した、2サイクルに対応したコースです。
契約電力プランの時間帯別料金と、昼間の天気予報を考慮して、もっとも経済的な条件に合わせて、深夜時間帯に充電を行います。
昼間の天気予報が晴れの場合は、深夜に充電を行わず、太陽光の余剰電力で充電を行います。
昼間の天気予報が雨の場合は、夜間に充電を行い、昼間の買電量を抑えることが可能です。
夜間充電優先コース【ECO】
夜間充電優先コースは「1日2サイクル」と「1日1サイクル」の2種類があります。
充電と放電を1日2サイクル行う「1日2サイクル」は、太陽電池で発電した電力を、無駄なく運用したい方におすすめです。
太陽電池で発電した電力をより多く売電したい方は、充電と放電を1日1サイクル行う「1日1サイクル」を選ぶとよいでしょう。
どちらも、太陽光で発電した電力を優先的に電化製品で消費し、使い切れなかった分を電力会社へ売電する仕組みになっています。
自家消費優先コース【GREEN】
太陽光で発電した電力を、優先的に蓄電池へ充電したい方におすすめのコースです。
太陽光で発電した電力を家の電化製品で優先的に消費し、余った電力を蓄電池に充電します。
充電しきれなかった電力は、電力会社へ売電する仕組みです。
備蓄優先コース【STORE】
備蓄優先コースでは、もしもの時に備え、蓄電池を常にフル充電状態に保ちます。
非常時への備えを優先される方におすすめのコースです。
太陽光で発電した電力は、優先的に蓄電池へ充電され、余剰電力が発生した場合に、家の電化製品で消費されます。
家庭内でも消費しきれなかった電力は、電力会社へ売電される仕組みです。
節電効果
村田製作所の家庭用蓄電池「All-in-one蓄電池システム」を導入した場合、節電効果はどのくらいになるのでしょうか。
今回は、東京電力の「スマートライフプラン」の利用料金を元に、経済効果を算出しました。
村田製作所の家庭用蓄電池のサイクル数と保証期間をベースとし、1日2サイクルを15年間くり返した場合の節電効果は、次の表の通りです。
蓄電容量 | 2.3kWhWh | 3.5kWh |
1日当たりの節電電力量 | 4.16kWh | 6.24kWh |
東京電力「スマートライフプラン」午前6時~翌午前1時の電力量料金 | 32.07円/kWh | 32.07円/kWh |
東京電力「スマートライフプラン」午前1時~午前6時の電力量料金 | 23.254円/kWh | 23.254円/kWh |
1日あたりの節電金額 | 84円 | 127円 |
15年間の節約金額 | 459,000円 | 695,325円 |
村田製作所の家庭用蓄電池を、単体で使用した場合の節電金額は、15年間で459,900円〜695,325円になります。
太陽光発電と合わせて使用すれば、さらに節電効果を期待できるでしょう。
相場コスト
村田製作所の家庭用蓄電池の設置にかかるおおよその相場コストは、容量2.3kWhの場合で、約100〜110万円(工事費込み)です。
村田製作所の家庭用蓄電池「All-in-one蓄電池システム」は、希望小売価格を設定しておらず、オープン価格となっています。
実際の価格は、販売店によっても異なるため、いくつかの販売店から相見積もりを取り、慎重に比較・検討を進めましょう。
こんな人には、村田製作所の家庭用蓄電池がオススメ
村田製作所の家庭用蓄電池は、次のような方におすすめです。
- なるべく長く安心して使える蓄電池を選びたい方
- 日本製の製品にこだわりたい方
日本で販売されている蓄電池ユニットは、海外製のものが多いですが、村田製作所の家庭用蓄電池は日本で製造・組み立てを行っています。
何かトラブルが起こって修理が必要になった場合でも、国内の工場で対応してもらえるため、安心感は大きいでしょう。
まとめ
村田製作所の家庭用蓄電池は、電子部品の独自開発・生産技術を活かして、日本国内で製造・組み立てられているため、長期間安心して使用できます。
天気予報と連動しており、警報を感知すると自動的に運転モードが切り替わり、停電に備えてフル充電を開始するなど、災害時の備えとしても最適な蓄電池です。
ハイブリット型蓄電池のため、太陽光発電システムと合わせて利用すると、より節電効果を得られるでしょう。
村田製作所の家庭用蓄電池は、利用目的に応じて、4つの運転コースから選べたり、後から蓄電池の容量を増やせたりするため、蓄電池の容量選びで迷われている方に特におすすめです。