2022年12月19日
深夜電力(夜間電力)と蓄電池で電気代を節約しよう!上手な活用方法は?

「深夜電力は安いと聞いたけど、具体的にどう活用したらいいのかわからない」と悩んでいませんか?
毎年のように電気代が値上がりしていて、家計が圧迫されているご家庭も多いでしょう。
実際のところ、家庭で使われる電気料金である「低圧(従量電灯)」の電気料金は2021年9月以降、前年比で10〜20%ほど値上がりしています。
このような状況なので、少しでも電気代を安くできたら嬉しいですよね。
そこでおすすめなのが、電気代が安い深夜に貯めた電気を日中に使用して、電気代を節約できる蓄電池です。
この記事では、深夜電力が安い理由や蓄電池を活用して電気代を安くする方法などをご紹介します。
電気代をどうにかして節約したいと考えている方は、参考にしてくださいね。
深夜電力(夜間電力)は安い?
深夜電力(夜間電力)は、時間帯によって電気代が変わる時間帯別電灯型の料金プランで使用できる電気です。
深夜電力は、昼間よりも30〜60%ほど安く設定されています。
電気代が安い理由は、夜に余っている電気代を無駄にしなくていいように、夜間にも電気を使ってもらうためです。
多くの発電所では、昼間のピーク時に発電量が不足しないように大量の電力を送り出す設備が整っています。
しかし、時間帯に応じて細かく電力の供給量を調整できないため、人々が活動する日中と、眠っている人が多い夜間では、どうしても電気の需要に差が出てしまいます。
そこで、電気代を抑えて、余った電気を有効活用しようとしているのです。
深夜電力プランで電気代が安くなる時間帯
深夜電力プランは、時間によって電気代が変動するため日中の電気代は割高です。
夜間電力が適用される時間帯を、電力会社ごとに表にまとめました。
電力会社 | プラン | 時間帯 |
東京電力 | 夜トク8 | 23時〜翌7時 |
夜トク12 | 21時〜翌9時 | |
関西電力 | はぴeタイムR | 23時〜翌7時 |
北陸電力 | くつろぎナイト12 | 20時〜翌8時 |
中部電力ミライズ | スマートライフプラン | 22時〜翌8時 |
スマートライフプラン(朝とく) | 23時〜翌9時 | |
スマートライフプラン(夜とく) | 21時〜翌7時 | |
四国電力 | 時間帯別eプラン | 23時〜翌7時 |
でんかeプラン | 平日23時〜翌9時・休日 | |
でんかeマンションプラン | 平日23時〜翌9時・休日 | |
中国電力 | ナイトホリデーコース | 21時〜翌9時・休日 |
電化スタイルコース | 21時〜翌9時・休日 | |
九州電力 | 電化でナイト・セレクト21 | 21時~翌7時 |
電化でナイト・セレクト22 | 22時~翌8時 | |
電化でナイト・セレクト23 | 23時~翌9時 | |
沖縄電力 | Eeホームホリデー | 23時〜翌7時 |
Eeホームフラット | 23時〜翌7時 | |
東北電力 | よりそうCパワーナイト | 23時〜翌7時 |
よりそう+ナイト&ホリデー | 20時〜翌10時 | |
北海道電力 | エネとくスマートプラン | 平日22時〜翌8時・日祝 |
eタイム3プラス | 22時〜翌8時 |
このように夜間電力が適用される時間帯は、電力会社と契約プランによって異なります。
生活リズムに合わせて最適なプランを選びましょう。
さらに場合によっては、平日と休日、季節によって適用される電気料金の単価が異なるケースもあります。
詳しくは契約前にプラン内容をご確認ください。
深夜電力プランはこんな人におすすめ!
深夜電力プランにすると、夜の電気代が安くなって電気代を節約できますが、すべての人におすすめできるわけではありません。
深夜電力プランがおすすめなのは、下記のような人です。
- 日中は外出していて家にいない
- オール電化の家に住んでいる
- 蓄電池を導入している
- エコキュートを導入している
- 太陽光発電システムを設置している
該当している方は、深夜電力プランに乗り換えると電気代を節約できる可能性があります。
深夜電力と蓄電池は相性抜群!電気代節約に効果あり
先ほど紹介した深夜料金プランを契約したとしても、一般的な家庭では電気を貯められません。
したがって、深夜料金プランを活用して電気代を節約するには、夜に洗濯や料理などをする生活に変える必要があります。
しかし、一般家庭にも蓄電池を導入すれば、深夜電力プランで安く購入した電気を貯めて、電気代が高い日中に貯めておいた電気を使うことができます。
そうすると、大幅な電気代節約につながるのです。
近頃は年々電気料金が値上がりしているため、電気代節約対策として蓄電池の導入を検討してはいかがでしょうか。
深夜電力と蓄電池で電気代はいくら安くなる?
実際に深夜電力と蓄電池をセットで導入したときの電気代を見ていきましょう。
深夜電力プランを契約・蓄電池ありの場合の電気代
九州電力の電化でナイト・セレクト21を契約した場合の夏・平日の電気料金をシミュレーションしていきます。
- 時期:夏
- 日中の電力量料金単価:23.95円
- 夜間の電力量料金単価:13.21円
ナイト・セレクト21の料金プランで、下記表の電力を使用したとします。
1日あたりの電力使用量 | 15kWh |
昼間の電力使用量 | 10kWh |
夜間の電力使用量 | 5kWh |
蓄電池の容量 | 8kWh |
※4人家族の電気使用量目安
深夜電力プランを契約し、蓄電池を使用すると1日の電気代は、219.63円になります。
深夜電力で貯めておいた電力を昼間に使用できるため、日中料金は2kWh分しか適用されませんでした。
深夜電力プランを契約・蓄電池なしの場合の電気代
次は蓄電池がない場合の電気代です。
先ほどと同じように九州電力の電化でナイト・セレクト21を契約した場合の夏・平日の電気料金をシミュレーションしていきます。
- 時期:夏
- 日中の電力量料金単価:23.95円
- 夜間の電力量料金単価:13.21円
ナイト・セレクト21の料金プランで、下記表の電力を使用したとします。
1日あたりの電力使用量 | 15kWh |
昼間の電力使用量 | 10kWh |
夜間の電力使用量 | 5kWh |
※4人家族の電気使用量目安
すると、1日の電気代は305.55円となります。
蓄電池がないため、昼間の電気代がそのまま適用されました。
蓄電池がある場合とない場合を比較すると、1日で85.92円も差があります。
1ヶ月単位で考えると2,577.6円も、1年で考えると 30,931.2円もの差があることがわかりました。
深夜電力と蓄電池、太陽光発電でさらに安くなる
深夜電力プランと蓄電池に加えて、太陽光発電も加えると、発電量が多い日はほとんど電気代がかかりません。
日中に太陽光発電により貯めた電気を蓄電池に貯めておき、夜間は蓄電池に貯めてある電気を使用すれば、ほとんど自家発電でまかなえます。
1年単位や5年単位、10年単位で考えると、10万〜100万円単位で電気代を節約できるでしょう。
深夜電力と蓄電池を活用する前に知っておきたいポイント
「電気代にこれだけ差が出るなら、深夜電力プランと蓄電池の導入を検討しようかな」と思えてきますよね。
実際に導入する前に知っておいた方が良いポイントを確認しておきましょう。
深夜電力が安いプランに切り替える
まずは蓄電池を導入する前に、深夜電力プランに切り替えることです。
昼間に電力会社から購入する電力量を最小限に抑えて、深夜に貯めた電気を使用するには、蓄電池が必要です。
しかし、蓄電池があっても電気代を節約するには、深夜料金のプランが適用されてなくてはいけません。
契約している電力会社に申請すれば、すぐに変更してもらえます。
電気代の使用量を確認する
ご家庭に合った蓄電池を選ぶには、普段使用している電力量を把握しておくことが大切です。
毎月使用する電力量は、「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」や電力会社の会員向けマイページで確認できます。
季節によっても電気使用量や電気代は異なるので、どのタイミングで電気をよく使用しているのかを確認しましょう。
最も多い電気使用量の月に合わせて蓄電池を選ぶのか、それとも年間の平均電気使用量に合わせて選ぶかで、購入する蓄電池の容量は大きく変わります。
災害時に使いたい電化製品の量で蓄電池を選ぶ
蓄電池には、下記2種類があります。
- 特定負荷型:停電時は一部の部屋または一部の電化製品のみ使用できる
- 全負荷型:停電時も全ての部屋で電化製品を使用できる
種類によって、停電時に使用できる電化製品の量が異なります。
蓄電池を導入して電気代節約だけでなく、災害時もいつも通りに生活できるように備えたい場合は全負荷型の蓄電池を選びましょう。
補助金制度を調べる
蓄電池を導入する際は、条件が当てはまれば国や自治体の補助金制度を利用できます。
たとえば国の補助金にはDER補助金があり、太陽光発電設備設置済み、もしくは太陽光発電設備と蓄電池を同時に設置する場合が対象です。
太陽光発電設備と蓄電池、HEMSの3点が揃っていることで補助金を受けられます。
詳しくはDER補助金の公式ページでご確認ください。
お住まいの自治体の補助金情報は、下記ページをご確認ください。
今、深夜電力と蓄電池の活用をおすすめする理由
深夜電力と蓄電池の活用をおすすめするのには、2つの理由があります。
電気代が年々高くなっている
1つ目は、電気代が年々高くなっていることです。
▼家庭用電気料金の単価
2020年7月 | 22.15円/kWh |
2021年7月 | 21.83円/kWh |
2022年7月 | 27.13円/kWh |
電気代は毎年のように値上がりを見せていましたが、近年の推移を見ると、2021年以降はとくに高騰しています。
また、経済産業省資源エネルギー庁の発表によると、2023年1月〜2月は東京から九州までの7エリアで安定した電気供給に必要な予備率を確保できていないとされています。
今の世界情勢が改善しない限り、電気代の高騰だけでなく、計画停電なども行われるかもしれません。
そこで、蓄電池を設置していれば電気代節約だけでなく、停電時の対策としても活用できます。
震災時にも非常に役立つため、もしものときの備えとして蓄電池の導入はおすすめです。
蓄電池の導入コストが安くなってきている
蓄電池の導入費用は、年々安くなりつつあります。
▼家庭用蓄電システムの目標価格
耐用年数10年 | 耐用年数15年 | |
2017年度 | 15万円/kWh | 22.5万円/kWh |
2018年度 | 12万円/kWh | 18万円/kWh |
2019年度 | 9万円/kWh | 13.5万円/kWh |
2020年度 | 6万円/kWh | 9万円/kWh |
上記数値はあくまでも目標値なので、実際の販売価格とは異なります。
とはいえ、一般家庭への蓄電池導入が始まった頃に比べると技術が進み、低コスト化・高性能かが進みました。
しかし、現在は蓄電池に必要な材料の供給不足が世界的に起きているため、今後も値下がりを続けるとは言い切れません。
そのため、今が蓄電池を導入するのに良いタイミングともいえます。
まとめ
深夜電力(夜間電力)と蓄電池を活用した場合の電気代や節約できる金額、知っておきたいポイントなどをご紹介しました。
深夜電力プランと蓄電池をセットで導入すると、大幅に電気代を節約できる可能性があります。
さらに太陽光発電も設置すると、ほとんど電気代がかからなくなるでしょう。
蓄電池は電気代節約だけでなく、停電時の非常用電源としても有効です。
蓄電池に電気を貯めておけば、停電しても電化製品を使用し普段通りの生活が送れます。
蓄電池の低コスト化が進み、補助金制度も活用できる今、導入を検討してはいかがでしょうか。