2022年10月29日
蓄電池と太陽光発電のセット価格相場は?助成金を使うとさらにお得!

家庭用蓄電池は、太陽光発電システムとセットで同時に設置するとお得になります。
蓄電池と太陽光発電のセット価格を用意しているメーカーも多く、工事費用についてもセット割引が適応されるケースが多いためです。
しかしながら、同時に設置するとなると「どれくらいの設置費用がかかるんだろう」と気になる方も多いのではないでしょうか。
今回は、蓄電池と太陽光発電をセットで導入する場合の相場価格についてまとめました。
蓄電池と太陽光パネルの同時設置がおすすめの理由や、おすすめメーカーについても紹介しておりますので、蓄電池と太陽光パネルのセット設置をご検討の方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
蓄電池と太陽光発電のセット価格の相場は?
家庭用蓄電池と太陽光発電システムを同時に設置する場合、相場価格は約200万円〜300万円程度です。
蓄電池+太陽光発電の平均相場価格
200万円~300万円程度 (容量に応じる) |
|
家庭用蓄電池の平均相場価格 | |
1kWhあたりの単価 | 15万円~20万円程度 |
1台あたりの設置費用(工事費込み) | 100万円~250万円程度 |
太陽光発電の平均相場価格 | |
1kWhあたりの単価 | 20万円~25万円程度 |
1台あたりの設置費用(工事費込み) | 120万~170万円程度 |
表を見ていただくと、家庭用蓄電池と太陽光発電システムを別々で購入するよりも、セットで同時に設置する方が、平均相場価格はお得だということがお分かりいただけると思います。
蓄電池と太陽光発電のkWh数によってはもちろん、メーカーごとに必要となる機器や部品が異なるため、実際の設置価格は相場よりも前後することを覚えておきましょう。
蓄電池と太陽光発電のセット導入で利用できる補助金
家庭用蓄電池と太陽光発電システムを同時に設置する際、国や自治体による補助金制度を利用できるのをご存じでしょうか。
2022年度より国が公募している「令和4年度 分散型エネルギーリソースの更なる活用に向けた実証事業」では、10kWh未満の太陽光発電システムと家庭用蓄電池の併用を条件として、大規模な補助金予算が組まれています。
このように、蓄電池や太陽光発電にまつわる補助金は、あらかじめ国や自治体ごとに予算が組まれており、上限に達した時点で受付が終了するため、早めの準備がおすすめです。
蓄電池と太陽光発電の同時設置を現在ご検討中の方は、国や自治体から発信される情報をこまめにチェックましょう。
蓄電池や太陽光発電の価格は今後安くなる?
家庭用蓄電池や太陽光発電システムの導入に興味はあるものの、高額な設置費用が気がかりとなり「もう少し手頃な価格になってから購入しよう」とお考えの方もいるかもしれません。
蓄電池や太陽光発電システムの価格は、今後値下がりすることはあるのでしょうか。
結論から申し上げると「今後、蓄電池や太陽光発電システムの価格が下がる可能性は低い」です。
理由としては、次の3点が挙げられます。
- 蓄電池のコストの大部分は材料費
- 電気自動車の普及によりリチウム電池の需要が高まる可能性がある
- 国による太陽光発電システム単体設置の補助金制度が終了
蓄電池の製造コストの大部分は、蓄電池に搭載しているリチウムイオンバッテリーの材料費です。
リチウムイオンバッテリーは、現在普及が進んでいる電気自動車にも採用されているため、今後さらに価格が高騰する可能性もあるでしょう。
そのため、蓄電池の価格は、現在より値下がりする見込みは少ない状況です。
また、太陽光発電システムのみの設置に関する、国や自治体による補助金制度が年々縮小傾向にあります。
蓄電池や太陽光発電システムの導入を検討されている方は、早めの購入がおすすめです。
蓄電池と太陽光発電を同時設置がおすすめな理由5つ
家庭用蓄電池を太陽光発電システムの同時設置には、さまざまなメリットがあります。
セット購入をおすすめする5つの理由は、次の通りです。
- 工事費が抑えられる
- パワコンの設置が1台で済む
- 電気代の節約効率が上がる
- 急な停電でも安心
- 卒FIT後も安心
1つずつ、詳しく解説します。
工事費が抑えられる
家庭用蓄電池と太陽光発電システムを同時に設置すると、別々に導入するよりも工事費を安く抑えられます。
先に太陽光発電のみ設置済みで、パワーコンディショナなどが住宅の2階外壁に取り付けられている場合、蓄電池を後から設置すると、本来なら必要なかった足場を立てないと施工できないケースがあるようです。
この場合、蓄電池と太陽光を同時設置するよりも、工事費は10万円〜20万円程度高くなります。
パワコン設置が1台で済む
パワコンとは、太陽光発電で作った電気を家庭で使える電気に変換する機器「パワーコンディショナ」の略称です。
パワコンは、蓄電池を使用する場合も必要になるため、太陽光発電と別々に導入すると、合計2台も設置しなければなりません。
蓄電池と太陽光発電をセットで使う場合、1台のパワコンでどちらの電気も変換できる「ハイブリッドパワーコンディショナ」があります。
ハイブリッドパワーコンディショナを利用すれば、設置は省スペースで済むほか、交換費用を抑えることも可能です。
電気代の節約効率が上がる
蓄電池と太陽光を併用して使うと、電気の自給自足の割合が高まり、結果的に電気代を節約できます。
太陽光発電のみ設置している場合、あまり電気を使わない昼間に作った電気はどうしても余りがちです。
余った電気は電力会社へ売電することもできますが、蓄電池と併用して蓄えておけば、電気使用量の多い夜間に効率的に使え、電力会社から買う電気量を減らすことができます。
急な停電でも安心
太陽光発電システムには、停電時に備えた「自立運転モード」が搭載されています。
自立運転モードは、災害時に停電した時でも、太陽光発電で作った電気をご家庭で使える機能です。
とても便利な機能ですが、太陽光発電は、雨の日や夜間は電気を作ることができません。
しかし、太陽光発電システムと蓄電池を併用すれば、太陽光発電が発電できない時も、蓄電池に蓄えた電気を使用できます。
災害時に停電が長引いた時でも、部屋の照明や冷蔵庫・エアコン・スマホの充電など、必要最低限の電気をまかなえる可能性は高まるでしょう。
卒FIT後も安心
太陽光発電システムで作った電気は、電力会社へ固定価格で売ることが可能です。
しかし、固定価格で売れる期間は10年間と定められており、その期間を満了することを「卒FIT」と呼びます。
卒FITは、余った電力を固定価格よりも安い価格でしか売ることができないため、節約効果を得られにくくなるのです。
太陽光発電と蓄電池を一緒に設置すれば、余った電気を蓄電池に蓄えて家庭で使用できるため、長期的に見ると節電・節約効果を期待できます。
蓄電池と太陽光発電を同時設置の際の注意点やデメリット
蓄電池と太陽光発電を併用すると、普段の生活はもちろん、災害時の予備電力としても、さまざまなメリットがありますが、いくつか注意しておきたいポイントもあります。
ここでは、蓄電池と太陽光発電を同時に設置する際の3つの注意点やデメリットについて解説します。
- 初期費用がかかる
- 設置スペースの確保が必要
- パワコンや蓄電池は定期的な買い替えが必要
詳しい内容を1つずつ見ていきましょう。
初期費用がかかる
家庭用蓄電池と太陽光発電システムを設置する際に利用できる補助金を活用しても、初期設置費用は高額になってしまう点は、やはりデメリットとなるでしょう。
「太陽光と蓄電池を一緒に設置したいけど、初期費用が高くて踏み切れない」という方には、ソーラーローンもおすすめです。
低金利・頭金なし・長期の返済期間も設定できるなど、たくさんのメリットがありますので、気になった方はソーラーローンの活用もご検討くださいね。
設置スペースの確保が必要
家庭用蓄電池は、エアコンの室外機ほどの大きさがあります。
屋外用の家庭用蓄電池は、直射日光が当たったり高温多湿だったりする場所への設置は、あまりおすすめできません。
屋内に置くタイプの蓄電池もありますが、若干の運転音が発生するため、寝室の近くなどへの設置は避けた方がよいでしょう。
例えば、5kWhの太陽光発電パネルを設置する場合には、屋根の広さは約30㎡程度必要となります。
もっとも適している屋根の向きは「南向き」で、屋根の形によっても設置費用や発電量に差が出るため、設置を検討する際は実績のある販売店に相談してみましょう。
パワコンや蓄電池は定期的な買い替えが必要
太陽光パネルの一般的な保証期間が25年間なのに対し、パワーコンディショナや蓄電池の保証期間は10年間〜15年間である場合が多いです。
蓄電池に使用されているリチウムイオン電池は、スマホのバッテリーと同じように、使い続けて劣化が進むと充電できる量が減少します。
買い替え費用を抑えるには、蓄電池と太陽光のパワコンを1台で兼用できるハイブリッドパワーコンディショナを導入したり、元々保証期間やサポートに手厚い蓄電池を選んだりしておくと安心でしょう。
蓄電池と太陽光発電のセット導入は販売店が一番お得
蓄電池や太陽光発電は、訪問販売から購入するよりも、専門販売店からセット購入する方がお得です。
しかし、蓄電池や太陽光発電を取り扱う販売店はとても多いため、どの販売店を選べばいいか迷いますよね。
安心して依頼できる販売店を見分けるポイントを3つお伝えします。
- 十分な施工実績がある
- 保証、サポート内容が充実している
- スタッフの知識が豊富
蓄電池は、卒FIT対策として最近注目され始めた経緯もあり、施工実績に乏しい販売店も多いようです。
多くの施工実績があり、施工後の保証やサポートが手厚い販売店を選んでおくと安心でしょう。
また、カタログや製品HPに記載されていないデメリットや注意点などを、丁寧に教えてしてくれる知識豊富なスタッフがいる販売店を選ぶことも大切です。
しっかりとした知識があるスタッフがいる販売店なら、設置後に生じたトラブルや不安点などを相談した際も、適切な対応をしてくれるでしょう。
まとめ
2022年3月にはじめて東京エリアで発令された「需給ひっ迫警報」では、大規模停電を防ぐために、国民へ大々的な節電を呼びかけました。
その後、経済産業省が「2022の冬季の電力需給も例年より厳しい」といった見通しを立てるなど、今後も節電要請や計画停電が実施される可能性は大いにあります。
蓄電池と太陽光発電を同時に設置すれば、節電効果が高まるのはもちろん、予測できない停電への対応も可能です。
さらに別々に設置するよりも、初期費用を抑えられるほか、国の補助金の対象になるなど、多くのメリットがあるため、蓄電池と太陽光発電は、ぜひ一緒に導入することを検討してみてくださいね。