2023年2月1日
蓄電池を安く買う3つの方法〜蓄電池の価格相場まとめとメーカー別の価格比較|

家庭用蓄電池の導入を検討されている方なら「なるべく安い蓄電池を買いたい」と、価格重視で考えることも多いと思います。
家庭用蓄電池の価格は「蓄電容量」「充電タイプ」「販売店」によって大きく異なります。
この記事では、蓄電池のタイプごとの価格相場や、メーカー別の価格比較をまとめました。
蓄電池を安く買うための3つの方法も紹介しますので、これから蓄電池を設置しようとお考えの方は、ぜひご参考ください。
家庭用蓄電池の価格相場
まずは、家庭用蓄電池の価格相場について解説します。
蓄電池の本体価格は、容量や機能によって異なり、基本的には大容量で機能性に優れているものほど高額です。
蓄電池をご家庭に設置する際にかかる費用相場は【蓄電池本体+工事費+保証・サポート費】を合わせて、およそ80〜250万円程度になります。
設置工事費の相場は約20〜35万円程度で、配線工事費が加算される場合もあります。
蓄電池タイプ別の価格相場を比較!
家庭用蓄電池の価格は、次の3つのタイプによって相場が異なります。
- 蓄電容量
- 充電タイプ
- 販売店
それぞれの特徴と価格相場を比較しました。
「蓄電容量」ごとの価格相場比較
蓄電池の容量ごとの価格相場は、次の表の通りです。
容量 | 価格相場(蓄電池+工事費) |
4~7kWh | 約100~220万円 |
8~11kWh | 約175~350万円 |
12~16kWh | 約240~400万円 |
ご家族の人数や蓄電池を設置する目的によって最適な容量は異なりますが、一般的な4人家族の場合、5〜7kWhの蓄電池を選ばれるご家庭が高いです。
4人家族の平均的な消費電力は1日当たり10kWhと言われているため、停電への備えとして蓄電池を設置するのであれば、10kWh前後の容量を選んでおけば安心でしょう。
「充電タイプ」ごとの価格相場比較
家庭用蓄電池の充電タイプは、大きく分けて「単機能型」と「ハイブリッド型」に分類されます。
それぞれの特徴と価格相場は、次の表の通りです。
充電タイプ | 特徴 | 価格相場 |
単機能型 | 既に設置済みの太陽光発電はそのままに、蓄電池と蓄電池専用パワコンを設置するタイプ | 約70~260万円 |
ハイブリッド型 | 太陽光発電と蓄電池のパワコンを1台で兼用するタイプ | 約100~270万円 |
シンプルな性能を持つ「単機能型」の方が価格は安いです。
「ハイブリッド型」は、単機能型に比べて高額な傾向がありますが、電力の変換効率に優れており、停電時の利便性が高いなどのメリットがあります。
「販売店」ごとの価格相場比較
同じ製品であっても、販売店によって蓄電池の価格相場は異なります。
蓄電池の主な販売店は、次の3通りです。
- インターネット
- 訪問販売
- 家電量販店
それぞれの特徴と価格相場を比較しました。
販売店 | 特徴 | 価格相場 |
インターネット |
|
約20万円/kWh |
訪問販売 |
|
約25万円/kWh |
家電量販店 |
|
約20~25万円/kWh |
販売店ごとの蓄電池の価格相場は「インターネット」「家電量販店」「訪問販売」の順に高くなります。
どの販売店にもメリット・デメリットがありますが、蓄電池の価格だけで判断せずに、施工実績の多さや保証・サポート内容など、複合的な視点で信頼できる業者を選びましょう。
メーカー別の特徴・価格相場・おすすめ商品
国内で蓄電池を販売している主なメーカー9社の特徴と、価格相場をまとめました。
- Panasonic(パナソニック)
- SHARP(シャープ)
- Omron(オムロン)
- ニチコン
- 京セラ
- 長州産業
- HUAWEI(ファーウェイ)
- ネクストエナジー
- スマートスター
各メーカーのおすすめ製品も併せてご紹介します。
Panasonic(パナソニック)
1931年に乾電池の自社生産をスタートし、80年以上の歴史があるパナソニックの蓄電池は、安全性と手厚い保証に定評があります。
3つのモードを切り替えて効率的に電気を貯める「創蓄連携システム」は、太陽光発電と併用して電気を無駄なく使用したい人におすすめです。
Panasonic(パナソニック) | |
容量 | 3.5kWh~12.6kWh |
価格相場 | 約90~300万円 |
おすすめ製品 | |
型番 | LJ-SF50B |
容量 | 5.0kWh |
サイズ | 649×626×250㎜ |
重量 | 67kg |
メーカー保証 | 7年 |
SHARP(シャープ)
シャープは、蓄電池の出荷台数3年連続ナンバーワンを獲得した、国内トップシェアメーカーです。
容量の選択肢が多いのが特徴で、ご家庭の使い方に合わせて2つのモードに切り替えられます。
蓄電池と太陽光発電を1台のパワコンで制御できる「クラウド蓄電池」では、インターネットに接続して、蓄電池の稼働状況をいつでも確認でき、動作異常時でも早急な対応が可能です。
HARP(シャープ) | |
容量 | 4.2kWh~13kWh |
価格相場 | 約105~260万円 |
おすすめ製品 | |
型番 | JH-WB1621 |
容量 | 8.4kWh |
サイズ | 700×360×605㎜ |
重量 | 135kg |
メーカー保証 | 10年 |
Omron(オムロン)
体温計や血圧計など医療機器の開発・製造で培った技術が活かされているのが、オムロンの蓄電池です。
大容量にもかかわらず、軽量コンパクトなサイズ設計が特徴的で、設置場所をあまり取りません。
Omron(オムロン) | |
容量 | 4.2kWh~16.4kWh |
価格相場 | 約100~280万円 |
おすすめ製品 | |
型番 | KPAC-A-SET1 |
容量 | 6.5kWh |
サイズ | 650×493×222㎜ |
重量 | 29kg |
メーカー保証 | 10年 |
ニチコン
ニチコンは、蓄電池の累積販売台数国内ナンバーワンを誇るメーカーです。
国内で唯一、電気自動車・蓄電池・太陽光発電の3つを連携できる「トライブリッド型」の蓄電池システムを販売しています。
ニチコン | |
容量 | 2.0kWh~16.6kWh |
価格相場 | 約42~270万円 |
おすすめ製品 | |
型番 | ESS-H1L1 |
容量 | 12kWh |
価格 | 税込219.4万円 |
サイズ | 1060×1250×300㎜ |
重量 | 257kg |
メーカー保証 | 15年 |
京セラ
京セラは、家庭用蓄電池の長期使用実績が国内ナンバーワンを誇るメーカーです。
主力商品であるエネレッツァには「クレイ型リチウムイオン電池」が採用されており、他メーカーの蓄電池よりもコストが抑えられています。
クレイ型リチウムイオン電池は、低価格なだけでなく、長寿命で安全性の高さが魅力です。
京セラ | |
容量 | 5kWh~15kWh |
価格相場 | 約110~250万円 |
おすすめ製品 | |
型番 | EGS-LM0500 |
容量 | 5kWh |
価格 | 税込110万円 |
サイズ | 蓄電池ユニット:485×562×280㎜
パワーコンディショナ:495×554×197㎜ |
重量 | 蓄電池ユニット:64kg
パワーコンディショナ:30kg |
メーカー保証 | 15年 |
長州産業
長州産業の蓄電池は、長寿命・優れた消音性・省スペースにも設置可能なコンパクトサイズが特徴です。
また、パワコン設置後3年以内であれば蓄電池ユニットをもう1台追加設置でき、ご家庭の電気使用状況に合わせ容量を増やせます。
長州産業 | |
容量 | 6.5kWh~16.4kWh |
価格相場 | 約135~280万円 |
おすすめ製品 | |
型番 | CB-LMP98A |
容量 | 9.8kWh |
サイズ | 450×562×232㎜ |
重量 | 21kg |
メーカー保証 | 15年 |
HUAWEI(ファーウェイ)
ファーウェイは、パワーコンディショナのメーカーとして、世界トップシェアを誇ります。
2020年に製造・販売がスタートしたファーウェイの蓄電池は、低価格ながらも故障が少ない品質の高さが特徴です。
2021年に発表した「LUNA2000」は、5kWhのユニットを3つ追加設置可能で、最大容量15kWhまで増やすことができます。
HUAWEI(ファーウェイ) | |
容量 | 5.0kWh~15.0kWh |
価格相場 | 約125~220万円 |
おすすめ製品 | |
型番 | LUNA2000‐10‐NHS0 |
容量 | 10kWh |
サイズ | 蓄電池ユニット:670×150×960㎜
パワーコンディショナ:365×649×159㎜ |
重量 | 蓄電池ユニット:113.8kg
パワーコンディショナ:19kg |
メーカー保証 | 10年 |
ネクストエナジー
長野県に本社を置くネクストエナジーは、国内メーカーであるにもかかわらず、海外メーカーと同じくらい低価格で、高品質な蓄電池を販売しています。
ネクストエナジーの蓄電池は、全負荷型で大容量なのが特徴で、長時間の停電にも安心して備えられる点がメリットです。
ネクストエナジー | |
容量 | 9.8kWh~13.16kWh |
価格相場 | 約180~270万円 |
おすすめ製品 | |
型番 | NX-3098-HNS/Y |
容量 | 9.8kWh |
サイズ | 762×1145×440㎜ |
重量 | 180kg |
メーカー保証 | 10年 |
スマートスター
スマートスターは、伊藤忠商事と株式会社NFブロッサムテクノロジーが共同開発した蓄電池です。
スマートスターの蓄電池はAI機能を搭載しており、天気予報と連動して電気代が安い深夜電力を利用して充電したり、自家消費電力を楽天ポイントやAmazonポイントへ変換できたりする特徴があります。
スマートスター | |
容量 | 9.8kWh~13.16kWh |
価格相場 | 約180~270万円 |
おすすめ製品 | |
型番 | LL513HOS/5(50Hz地域)
LL513HOS/6(60Hz地域) |
容量 | 13.16kWh |
サイズ | 1182×1008×392㎜ |
重量 | 265kg |
メーカー保証 | 10年 |
蓄電池を安く買う3つの方法
せっかく蓄電池を導入するなら、なるべく費用を抑えつつ、大容量かつ高機能なものを選びたいですよね。
ここでは、蓄電池を安く買うための3つの方法をご紹介します。
- 補助金の活用
- 型落ち商品を選ぶ
- 相見積もりを取る
後悔しない蓄電池選びのためにも、それぞれのポイントをしっかり確認しておきましょう。
補助金の活用
家庭用蓄電池の導入には、国や各地方自治体の補助金制度を利用できます。
国による代表的な補助金は「ZEH補助金」や「災害時に活用可能な家庭用蓄電池システム導入促進事業費補助金」などです。
地方自治体の補助金は、各市町村ごとに補助を受けられる金額や条件が異なるため、各自治体のホームページなどで詳細を確認しましょう。
国と自治体の補助金は併用可能ですが、募集期間や予算に限りがあります。公募情報はこまめにチェックしましょう。
型落ち製品を選ぶ
各メーカーからは、毎年のように蓄電池の新製品が発売されます。
新製品は魅力的な機能が搭載されていたり、大容量で軽量コンパクトだったりと、高性能なものが多いですが「あまりハイスペックなものは求めない」という方には、型落ちした製品もおすすめです。
生活家電やスマートフォンと同じく、家庭用蓄電池も新製品が発売されれば、型落ち製品の価格は下がります。
古い型番になるほど部品が少なくなりますが、保証やサポート内容が充実している販売店から購入すれば、故障や修理が必要になった場合も安心でしょう。
相見積もりを取る
蓄電池を購入するときは、かならず複数の販売店から相見積もりを取るようにしましょう。
最低でも2〜3社から見積りをもらうことで、価格の適正度を測れます。
ホームページやチラシなどに「他社見積もり比較OK」や「他店の見積もり持ち込み歓迎」などの記載があれば、予算の相談や値下げ交渉もしやすくなるでしょう。
まとめ
蓄電池の価格は「蓄電容量」「充電タイプ」「販売店」などによって、相場が異なります。
販売開始直後に比べて随分手が届きやすい価格に近づいているものの、蓄電池は依然として高額なお買い物です。
販売店によっては、同じ製品でも100万円近く見積もり額に差が出る場合も少なくありません。
蓄電池を購入する際は、複数の販売店から相見積もりを取って、製品の適正価格を必ずチェックしましょう。
なるべくお得に蓄電池を導入するためにも、今回ご紹介した3つの方法をぜひお試しくださいね。