2022年4月12日
【電気自動車は太陽光発電がおすすめ】安く電気自動車を導入する方法

近年では、環境問題への懸念から欧州を中心に世界中で電気自動車のシェアが拡大されています。
また、日本においても電気自動車のシェアは拡大しており、近い将来は自家用車の主流がガソリン車から電気自動車へとシフトする可能性も考えられるでしょう。それに伴い、電気自動車の購入を検討している方も多いのではないでしょうか?
電気自動車を検討される方の中でも、よく迷ってしまうポイントとして挙げられるのは、電気自動車の充電方法です。
電気自動車を購入した場合、街中で見かける充電スタンドで充電するのか、自宅に充電設備を導入するのか、どちらの方が安いのか気になる方も多いと思われます。
そこで以下では、電気自動車の一般的な燃料費や、太陽光発電で電気自動車を充電するメリットやデメリット、太陽光発電システム設置の初期費用を安くする方法などまで、詳しく解説していきます。
電気自動車の導入を検討されている方などはぜひ、参考にしてみてください。
太陽光発電と相性の良い電気自動車は2種類
はじめに、太陽光発電で作った電力を利用して充電できる車の種類を見ていきましょう。
電気自動車:EV編
EVとは電気自動車のことを指す言葉で、太陽光発電で作った電力を利用して充電し、走行することが可能です。
しかし、ここで注意しておかなければならないのが一般的なEVとは電動車両すべてを指す言葉なので、電気とガソリンで走る「HV(ハイブリッド車)」や「FCV(燃料電池自動車)」もEVとして含まれるということです。
電気自動車と呼ばれる電気とモーターのみで動く車両は、正確には「BEV(Battery Electric Vehicle略)」に分類されます。
基本的には「電気自動車=EV」で問題ありませんが、HVやFCVは電気のみで走行できる訳ではありませんので、注意しておきましょう。
電気自動車:PHV編
PHVやPHEVと呼ばれる、「プラグインハイブリッド車」も太陽光発電で作った電力を利用し、充電することが可能です。
PHV(プラグインハイブリッド車)もHV(ハイブリッド車)同様、電気とガソリンを併用して走行していますが、PHVはバッテリーを外部から充電できることが特徴になります。
ちなみに、HVはエンジンを利用して発電し、その電気をバッテリーに貯めてモーターの駆動力としているため、外部からの充電は不可能となります。
電気自動車を太陽光発電で充電すると燃料費はお得になる?
ガソリン車と比較した場合、電気自動車の方が燃料費が安くなるのは理解されている方も多いとは思います。
しかし、街でよく見かける充電スタンドと、太陽光発電を使用して自宅で充電した場合はどちらがお得か?ご存知の方は少ないのではないでしょうか。
結論から言いますと、太陽光発電で作った電力を利用して充電した方が、断然お得になります。
太陽光発電で充電した電気は通常、自宅の電気代に使用して余った分は電力会社が買い取ってくれます。
そして、売電したお金でガソリンを購入し、燃料費や生活費をカバーしているといった方も珍しくないでしょう。
しかし、近年では売電価格が下がっているため、売電するよりも電気自動車の充電に使用した方がお得になる場合が多いのです。
電気自動車の多くは、1回の充電で約200km〜600kmほど走行することができますが、街の充電スタンドでの充電一回につき400円〜600円ほど掛かってしまいます。
さらに、電気会社によっても異なりますが、自宅で充電する場合でも一回の充電には約500円ほど掛かるとされています。
ですが、太陽光発電を利用して自宅で充電することによって、この費用も節約することが可能となります。
そのため、走行距離が多い場合は長い目で見れば、初期費用を考えても太陽光発電で電気自動車を充電した方がお得と言えるでしょう。
自宅で電気自動車を充電する充電設備
次に、自宅で電気自動車を充電する設備には、どのようなものがあるのか詳しく見ていきます。
自宅で充電できる充電設備には、高価なものから簡単なものまで様々です。
以下で、主な充電設備を紹介していきます。
コンセントタイプ
充電設備の中でも、設置工事が簡単なものはコンセントタイプです。
EVに搭載されている充電ケーブルをコンセントに取り付けて充電します。
毎回ケーブルを取り付ける手間は掛かってしまいますが、コストが低いのがコンセントタイプの魅力です。
分電盤からのケーブルの長さによっても多少異なりますが、製品・工事費用を合わせて10万円前後が目安とされています。
壁掛けタイプ
壁掛けタイプは充電設備と充電ケーブルが一体になっているため、いちいち車載のケーブルを取り出す必要がありません。
壁掛けタイプには、より早く充電できる高出力タイプもあるので、高出力充電器に対応している車種なら比較的早く充電できるでしょう。
そのため、コンセントタイプよりは少し高価になり、製品・工事費用を合わせて20万円前後が目安とされています。
スタンドタイプ
スタンドタイプは、コンビニの駐車場などに設置されていることが多いのですが、自宅にも設置できます。
壁掛けタイプ同様、充電ケーブル一体型が多く、課金機能など機能の追加にも対応しているため、会社などへ設置する場合に重宝されています。
製品・工事費用を合わせて20万円前後が目安とされています。
その他のV2H
V2Hとは「Vehicle to Home(ヴィークル・ツー・ホーム)」の略で、車に蓄えた電力を自宅で使用することも可能になるシステムです。
電気自動車を蓄電池として再活用できるシステムで、停電時や災害時などの電源として、電気自動車を使用することが可能になります。
充電時間も短く、自宅で使用する昼間の電気を、夜間の間に電気自動車に充電しておけば電気代が節約できるなど、メリットが多いのが特徴ですが、そのぶん導入費用は高くなります。
製品・工事費用を合わせて80万円前後が目安とされていますが、長い目で見ればお得になるので非常におすすめです。
太陽光発電の電力を利用して電気自動車を充電するメリット
続いて、太陽光発電で作った電力を利用して電気自動車を充電するメリット・デメリットを見ていきましょう。
自動車の燃料費が安くなる
電気自動車はガソリン車と比べると、燃料費がかなり安くなります。
2022年3月現在の全国平均のガソリン価格はレギュラーで約168円です。
これは、1ℓあたり15km走る自動車だと100km走行するのに1,118円掛かる計算になります。
しかし、電気自動車を一般的な電力価格の6km/kWhで計算すると、100km走行するのに掛かるお金は333円〜500円(20円〜30円/kWhで試算)となるので、かなりお得になるということが分かります。
燃料費がこれほど安くなることは、太陽光発電で電気自動車を充電する大きなメリットと言えるでしょう。
太陽光発電の蓄電池としても使用できる
V2Hと併用した場合、電気自動車を太陽光発電の蓄電池としても活用することができます。
また、V2Hを蓄電池として活用する場合、一般的な家庭用蓄電池よりも容量が大きくなることも特徴です。
一般的な家庭用蓄電池と小型の電気自動車で比較しても、約5〜10倍の電気を蓄電することができるので、停電時や災害時にその分長い時間の電力を確保できるようになります。
環境保全に貢献できる
EVはガソリン自動車と違い、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出がありません。
また、電気とガソリンを併用するHVやPHVもガソリン自動車に比べて、二酸化炭素の排出量を削減することが可能です。
そのため、太陽光発電で電気自動車を充電することで環境保全に貢献できるということにもなります。
太陽光発電の電力を利用して電気自動車を充電するデメリット
ここでは、デメリットの方もきちんと見ていきましょう。
急速充電と比べると充電に時間が掛かる
街中でよく見かける充電スタンドなどの充電設備には、急速充電の機能が備わっている場合がほとんどです。
それに対して、太陽光発電を利用した自宅用の充電設備は、普通充電の設備になっていることの方が多いようです。
普通充電の設備でも充電するのに何も問題はありませんが、充電に時間が掛かってしまいます。
家庭での充電ではどうしても時間がかるため、頻繁に車を乗る人とってはデメリットと言えるでしょう。
頻繁に車を乗る人は、急速充電の機能導入を検討してみましょう。
費用はかかりますが、太陽光発電を使用した家庭用の充電設備でも高電圧が使用できるように工事することで、急速充電が可能になります。
充電スタンドやV2H機器設置の初期費用が掛かる
太陽光発電を使用した充電スタンドや、V2H機器を設置するのに初期費用が掛かってしまいます。
現在主流となっている費用は、製品だけでも40万円〜で、工事費用を合わせると80万円前後が目安になるので、決して安い買い物という訳ではありません。
長い目で見ればお得になるとはいえ、初期費用が高額なことはデメリットとも言えるでしょう。
V2H機器の設置場所が限定される
V2Hは電気自動車と自宅の中間位置に設置されている場合が多く、設置するにはスペースも必要となります。
そのため、設置場所が限定されてしまい、ガレージに設置する場合などは駐車スペースも狭くなってしまいがちです。
V2H機器はシステムの性質上とはいえ、設置場所が限定されてしまうことは、自宅充電のデメリットにもなりえます。
太陽光発電システム設置の初期費用を安くするには?
最後に、太陽光発電システムを設置する初期費用を安くする方法を紹介します。
メリットも多い太陽光発電システムですが、設置に掛かる初期費用は決して安いとは言えません。
太陽光発電のメリットを最大限に活かすためにも、コストを抑えるポイントを把握しておきましょう。
必ず相見積もりを取る
製品の購入や設置工事を依頼する際には、必ず数社から相見積もりをとるようにしましょう。
めんどくさいからといってそのまま契約を済ませてしまうと、実は思いのほか費用が割高だったということも考えられます。
製品の購入や設置工事を依頼する際には、少なくとも2〜3社から相見積もりを取り、適正価格で購入することを心掛けましょう。
中には、他の業者にも依頼していることで値引きを行ってくれる業者もあるので、手間を惜しまずできるだけ多くの業者に見積りを依頼することをオススメします。
補助金制度を使用する
V2Hの購入は、省エネなど環境保全に貢献できるシステムであることから、一定の条件を満たせば国や自治体から交付される補助金制度を使用することができます。
国にV2H導入の補助金を申請する場合、経済産業省と環境省のどちらかに申請することが可能です。
交付される補助金額の上限は経済産業省も環境省もそれぞれ同額で、V2H機器の購入費が上限75万円、設置費用が上限40万円となります。
交付される補助金額や、交付条件はそれぞれで異なるので事前に各機関に確認しておきましょう。
また、補助金の申請ができるのはどちらかのみになります。
経済産業省と環境省の両方から補助金を受給することはできませんので、注意が必要です。
さらに、地方によっては自治体で独自の補助金を交付している場合もあります。
多くの場合、自治体の補助金に関しては経済産業省や環境省の補助金と併用することができるので、交付される場合はこちらも必ず活用しましょう。
ただ、補助金額や交付条件は地方によって異なるので、居住地域の自治体への確認が必要です。
補助金の申請と聞くと難しいと感じる方も多いかも知れませんが、設置を請け負う施工業者が代行してくれることも珍しくないので、太陽光発電を導入する際に相談してみると良いでしょう。
まとめ
今回当記事では、電気自動車にまつわる太陽光発電システムについて、わかりやすく解説してきました。
電気自動車を充電するにあたって、太陽光発電は長い目で見ればお得になる場合が多いです。
また、高額のイメージがある初期費用についても、補助金の活用などでコストを抑えることが可能となります。
電気自動車の購入を検討されている方は、ぜひ相見積もりや補助金を活用しつつ、生活に合った電気自動車のある生活を実現ください。